しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2025年4月23日(水)

病床削減予定5万床に

参院委で倉林氏告発 政府誘導で医療体制衰退

写真

(写真)質問する倉林明子議員=22日、参院厚労委

 医療機関の倒産・休廃業が過去最多を記録するなか、病床を削減する病院には給付金を出すという異常な「病床数適正化支援事業」への給付金申請が殺到し、削減対象が5万病床に上っている実態について、日本共産党の倉林明子議員が22日の参院厚生労働委員会で追及しました。

 厚労省が都道府県に示した同事業の配分額(第1次内示)は294億円に上り、廃止届が前提となる対象病床は7170床に達します。配分額は補正予算の枠を超えましたが、同省は6月中旬にも第2次内示を予定。医療機関が提出した計画書では削減予定病床は5万床に達しており、同事業の対象病床は今後も増える見通しです。倉林氏は「これ以上の病床削減を大規模に進めれば医療提供体制は崩壊する」と警告しました。

 倉林氏は「診療報酬引き下げと物価高で経験したことのない赤字が累積している病院には、上限50床で2億円の給付金は喉から手が出るような金額だ。政府による休廃業の加速、病院つぶしにつながる」と指摘。物価高・人件費の伸びに見合った思い切った直接支援や、2年に1度の改定を待たない診療報酬引き上げ、社会保障費を「高齢化の伸びの範囲に抑制」する予算の枠組みそのものの見直しを政府に迫りました。

 福岡資麿厚労相は「関係者の意見を丁寧に聞きながら検討を進める」と述べるにとどめました。

 倉林氏は「医療提供体制の弱体化が地方にとどまらず都市部でも急速に進行している」と強調。医療現場で離職が増え、賃上げが求められるなか、人件費に充当可能な支援事業(2024年度補正予算で828億円)は200床の病院でも818万円しか交付されないと批判し、「医療機関の赤字の規模は数億円単位だ。支援の枠組みが小さすぎる。ただちに全額公費による賃上げ支援策に踏み出すべきだ」と政府に迫りました。


pageup