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2025年4月22日(火)

フランシスコ・ローマ教皇死去

核兵器廃絶 紛争の平和解決訴え

 キリスト教の中で最も信者の多い教派、カトリック教会の最高指導者フランシスコ・ローマ教皇が21日、死去しました。88歳でした。アルゼンチン出身で、2013年に初めて中南米から選ばれた教皇でした。

 2019年に教皇として38年ぶりに訪日し、被爆地の長崎、広島を訪れ、核兵器の非人道性を訴え、核兵器禁止条約の推進や核兵器廃絶を呼びかけました。東日本大震災の被災者や青年とも交流しました。

 バチカンは核兵器禁止条約を17年にいち早く批准。同年の発言で、教皇は、核兵器の使用だけでなく、核兵器の保有も「断固として非難」しました。

 世界各地の紛争の平和解決や難民・移民の保護でも積極的に発言。イスラエルのガザ攻撃では、即時停戦と全人質の釈放を要求。ロシアのウクライナ侵略については、ロシアのプーチン大統領の核脅迫を「狂気の沙汰」と厳しく批判しました。軍事費の一部を飢餓や気候変動とのたたかいの資金に充てることなども一貫して訴えました。

 13年には世界で貧困と格差が広がっている現状を批判し、「トリクルダウン(おこぼれ)理論」は「事実で確認されたことはない」と資本主義を批判したこともあります。イスラム教との対話にも尽力しました。

 カトリック教会の負の遺産にも取り組み、22年のカナダ訪問では、カトリック教会の寄宿舎で先住民の子どもが虐待されたことについて「深くおわびする」と表明しました。


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