2025年4月22日(火)
裏金還流再開は“事実”
参院予算委 世耕参考人弁明に山下氏
![]() (写真)世耕弘成前自民党参院幹事長に質問する山下芳生議員=21日、参院予算委 |
自民党派閥の裏金事件を巡り、参院予算委員会は21日、旧安倍派の世耕弘成・前自民党参院幹事長(離党)に対する参考人質疑を行いました。世耕氏は、2022年8月の安倍派幹部の会合では派閥のパーティー券ノルマ超過分の還流再開は決まらなかったと改めて主張し、「現金での還付は駄目だ」というのが会合での合意だったと弁明。日本共産党の山下芳生議員は「現金であれ別の形であれ、還付復活が決まったのは紛れもない事実ではないか」と追及しました。
旧安倍派は22年4月に安倍晋三元首相の指示で還流中止を決めたものの、世耕、西村康稔、下村博文、塩谷立の4氏と会計責任者の松本淳一郎氏による8月の会合後、還流が復活。政治資金規正法違反で有罪が確定した松本氏は、公判でも2月の衆院予算委の聴取でも、8月の会合で還流再開が決まったと証言しており、世耕氏の弁明と食い違いがあります。
世耕氏は、予算委で松本氏との間には「認識のずれがある」と述べ、松本氏がなぜそう認識したのかは「よく分からない」と強調しました。8月の会合では、「現金での還付は駄目だ」との認識で一致する一方、ノルマ超過分を既に収入として見込んでいる議員もいることから「何らかの資金的対応は必要だ」との意見が出たと説明。派閥がこうした議員が主催するパーティー券を購入する形で超過分を返す案が出て「それでコンセンサス(合意)が出来上がった」と述べました。
また会合の4日後、世耕氏から松本氏に、派閥によるパーティー券購入が必要なノルマ超過議員の一覧を送ったと説明。松本氏から了解の返信も来たと主張しました。
8月の会合について山下氏は「いろいろな形で還流について議論し、還流再開の方向で結論が出たということだ」と指摘し、「現金での還付は駄目だ」という認識が会合全体のものであったかは、世耕氏の証言だけでは証明できないと批判。実際、会合後に現金での還流が再開されたのが「事実だ」と強調しました。