2025年4月20日(日)
沖縄 うるま市長選 自民系2候補
統一協会と過去に関係
「関係絶つ」と言えない市政でいいか
沖縄県うるま市長選(20日告示、27日投票)は、解散命令が出された統一協会(世界平和統一家庭連合)との接点があったのに反省もなく、「関係を絶つ」とすら言えない市政でいいのかが鋭く問われています。出馬を表明している3氏のうち、現職の中村正人氏=自民・公明推薦=と、自民党を離党した元県議で新人の照屋守之氏が、いずれも前回市長選時に統一協会関連のイベントに参加していたからです。
![]() ![]() (写真)㊤2021年4月11日の「世界平和連合講演会」で自民系の候補、議員らが統一協会関係者とともに肩を並べる様子を投稿したA氏のフェイスブック(一部加工) |
東京地裁は3月25日、霊感商法や高額献金などの数々の不法行為を働いてきた統一協会に対し、解散を命じました。「類例のない膨大な規模の被害を生じさせた」と断じました。
中村、照屋両氏が統一協会系のイベントに参加したと確認できるのは、自民党員A氏のフェイスブックの投稿。かつて統一協会のダミー団体から「平和大使」に任命されたと述べていた人物です。
投稿によれば、前回の市長選が迫る21年4月11日、「世界平和連合講演会」がうるま市内で開催されました。A氏は、中村氏の激励集会も兼ねて開かれたとする講演会で、中村氏本人があいさつしている写真を投稿。別の写真には、壇上で統一協会の沖縄教区長(当時)らと一列に肩を並べる中村、照屋両氏の姿が収まっています。
また、市長選告示後の4月22日にA氏は、「世界平和連合の婦人部から、必勝!!必勝!!の千羽鶴」と投稿。中村氏が千羽鶴を受け取った写真を紹介しています。
照屋氏は19年10、11両月、統一協会のダミー団体「沖縄県平和大使協議会」が主催した講演会(沖縄市)などに相次いで参加。A氏が投稿した記念写真に収まっています。
琉球新報が行った市町村長アンケート(同紙2022年8月24日付)で、中村氏はイベント参加にとどまらず、統一協会から選挙協力を受けたと回答。協会との関係をどうすべきかとの設問に、関係断絶ではなく「政治家個人の判断に委ねるべきだ」としています。
市議会でも「(家庭連合が統一協会であることを)知り得なかった」(22年9月、伊盛サチ子日本共産党市議への答弁)などと弁明しただけで、謝罪も関係断絶も口にしていません。協会と癒着し、お墨付きを与えることにつながった責任に対する無反省ぶりが際立っています。
本紙は中村、照屋両氏の事務所に、現在も協会と接点があるかどうかなどについて文書で質問しましたが、回答はありませんでした。