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2025年4月19日(土)

仮想敵明示の共同軍事演習

違憲の武力による威嚇

参院外防委 山添議員が追及

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(写真)質問する山添拓議員=15日、参院外防委

 日本共産党の山添拓議員は15日の参院外交防衛委員会で、日米が中国を仮想敵と明示して実施した共同軍事演習は憲法が禁じる「武力による威嚇」で許されないと追及しました。

 山添氏は、中谷元・防衛相がヘグセス米国防長官との会談で打ち出した「ワンシアター(一つの戦域)」構想について追及。中谷防衛相は「力による一方的な現状変更の試みに反対し、日米を中核として豪州、韓国、フィリピンをはじめ地域で協力を進展させる」と説明しました。山添氏は「インド・太平洋地域で軍事ブロック的に対抗するものであり、緊張関係を高める」と批判しました。

 山添氏は「産経」7日付が報じた、2024年2月の日米共同指揮所演習「キーン・エッジ」で台湾に侵攻する中国軍艦艇を想定して自衛隊機が同艦にミサイルで仮想攻撃したのは事実かと質問。中谷防衛相は「そのような事実を発表したことはない」としながら、仮想攻撃の事実は否定しませんでした。

 山添氏は、琉球新報24年2月5日付が、同演習結果を台湾有事に関する日米共同作戦計画原案に反映させ、計画の有効性を演習で検証する流れだと報道し、その後、24年実施の日米実動演習「キーン・ソード」では南西諸島からの住民退避を想定した訓練などが行われたと指摘しました。

 今年2月の日米豪共同指揮所演習「ヤマサクラ」では、ジョエル・バウル米太平洋陸軍副司令官が「中国、北朝鮮、ロシア」を名指ししたと指摘し、「こうした仮想敵を具体的に定めて行う軍事演習は憲法9条1項が禁止する『武力による威嚇』ではないか」と追及。内閣法制局の栗原秀忠第二部長は「演習の詳細を承知していないので答えるのは困難」だと答弁。山添氏は「軍事的緊張を高める威嚇だ」と批判し、同様の演習の中止を求めました。


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