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2025年4月19日(土)

きょうの潮流

 サザンビーチで知られる神奈川・茅ケ崎市の海岸。夏は多くの海水浴客でにぎわいますが、そこで大砲や爆弾の音が鳴り響いていたことはあまり知られていません▼相模湾を望む国道134号沿いの海岸線は日本海軍の演習場があった所で、戦後GHQに接収されます。チガサキビーチと名付けられ、上陸や爆撃の演習、爆発物の処理訓練がくり返されました▼住民の立ち入りは一方的に禁じられ、漁業は操業中止に。市民生活や産業に深刻な被害をもたらしました。サザンオールスターズの歌にも出てくる烏帽子(えぼし)岩も砲撃演習の標的となり、一部は吹き飛んで形を変えてしまいました▼この砂丘地帯は終戦間際に米軍が計画していたコロネット作戦の舞台とされていました。コロネットとは馬のひづめのことで、湘南と九十九里の東西二つの海岸から上陸し、首都東京を挟み込み占領する作戦だったといわれています▼いま茅ケ崎市の博物館で「戦中・戦後のくらし」と題した企画展が開かれています。当時の写真や資料、言葉を紹介しながら。海に魅了され移住してきたという親子は「こんな歴史があったとは…。平和の大切さを感じた」▼戦後80年の催しは各地で。あの戦争が引き起こした被害や人権問題は今も続いています。解決を訴える人びとは「戦闘は終わったが、戦争はまだ終わっていない」と。いまだ責任をとらない国の姿勢は今後にもつながります。先の企画展はこんな趣意を。「過去の経験を未来に生かす機会になれば幸いです」


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