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2025年4月18日(金)

きょうの潮流

 インドネシアのバンドンで「アジア・アフリカ会議」(バンドン会議)が開かれてから18日で70年。アジアやアフリカ諸国が植民地支配のくびきを振り払って独立し、歴史の主人公となっていく画期となった会議でした▼開会演説でインドネシアのスカルノ大統領は「人類史上初の有色人種の国際会議」の主催地となったことを喜びつつも、「われわれ諸国人民の多くがほんの最近までなめてきた苦難」を想起しました▼当時まだ植民地主義との闘いは道半ば。インドネシア外務省高官としてバンドン会議の事務局長を務めたルスラン・アブドゥルガニさんに以前、話を聞いた時です。日本の敗北後に戻ってきたオランダ軍との戦闘で3本の指を失った右手を見せてくれた記憶は、今も鮮明に▼1954年にディエンビエンフーでのベトナム軍の勝利があった一方、米ソ冷戦の最中。東南アジアや中東で相次いで米国主導の軍事同盟も結成され、大国による会議への干渉もありました▼会議の最終コミュニケに盛り込まれた「平和10原則」は、すべての国家の主権尊重、人種や国家の平等、侵略や武力行使の威嚇を行わず、国際紛争を平和的に解決することをうたいました。軍事同盟参加国も含めた合意づくりに苦労したスカルノらの努力がしのばれます▼侵略、併合、ジェノサイド(集団殺害)が横行する今こそ、バンドン会議の理想を思い起こしたい。アジアでの軍事ブロックの解体、核兵器禁止条約の発効など大きな進歩が刻まれた歴史と共に。


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