2025年4月17日(木)
任期延長で権力乱用 山添氏
立憲主義破壊やめよ 仁比氏
参院憲法審意見交換
![]() (写真)発言する山添拓議員=16日、参院憲法審 ![]() (写真)発言する仁比聡平議員=16日、参院憲法審 |
参院憲法審査会が16日開かれ、憲法54条の参院緊急集会に関する意見交換を行いました。
日本共産党の山添拓議員は、自民党などが緊急集会は臨時的で緊急時に対応できないとして、国会議員の任期延長などを主張しているのに対し、緊急事態を口実に権力が乱用された事例を挙げ批判しました。
日中戦争下の1941年に「国政について不必要に議論を誘発」するとして衆院任期が1年延長され、その1年後には「政治力の結集が戦争遂行のため緊要」だとして任期満了選挙が行われたことを示し、「選挙困難事態が恣意(しい)的に判断され、その結果が戦争の惨禍だった事実は決して看過できない」と強調しました。
また、内乱首謀罪で起訴された韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領による「非常戒厳」や、経済的非常事態として国際緊急経済権限法を根拠にトランプ米大統領が強行した関税引き上げを挙げ「緊急時に名を借りた権力の乱用は至る所に実例があり、教訓を明らかにしている」と指摘。「危機をあおり緊急事態条項をと喧伝(けんでん)するのでなく、憲法に基づき権利を擁護する政治こそ国会に求められている」と強調しました。
日本共産党の仁比聡平議員は、日本国憲法が緊急事態条項を排除した背景を紹介。戦後の憲法制定議会で当時の金森徳次郎憲法担当相が示した、国民の権利の十分な擁護のため「緊急時に政府の一存で行う措置は極力防止しなければならない」との憲法観に言及し、「今にも通ずる合理性がある」と指摘しました。選挙困難事態での任期延長の議論は自民党が2012年の改憲草案で主張した緊急事態条項と一体のものだと強調。同草案は「人々の自由と権利を一内閣の政令をもって奪う立憲主義の破壊だ」と批判し、自民党は同草案の押しつけをやめるべきだと強調しました。