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2025年4月16日(水)

きょうの潮流

 地震、豪雨、雷…日々の暮らしに欠かせない気象情報。今年は、気象観測を目的にした気象業務が国内で開始されて150年だといいます▼現在の東京都港区に気象庁の前身となる東京気象台で観測が始まりました。当初は、政府に雇用された英国人が一人で1日3回の気象観測を行い、地震があると土蔵の地震計まで走って行ったと▼東京・上野の国立科学博物館で自然現象を観測する機器の変遷が企画・展示されています。「本日ノ地震タル…」と書かれた現存する最も古い地震記録や、髪の毛が湿度によって長さが変わる性質を利用した湿度計、1960年代まで使用されたという、お椀(わん)のようなものを4個取り付けて回転速度を計算した風速計も▼機器による観測の積み重ねの大切さを改めて感じます。現在の気温が以前とどれほど違っていることか。年ごとの違いではつかめない長期間の観測でわかることがあります▼先月発表された報告書『日本の気候変動2025』は、国内の気温は100年当たり1・4度の割合で上昇しています。将来の予測も深刻です。なんの対策もしない「4度上昇シナリオ」の予測は、今世紀末には産業革命前と比べて5・1度上昇すると▼気温上昇に伴い「100年に1度」の極端な高温や豪雨が頻発し、台風の強さも増すと予測されています。最近の日本や韓国の山火事も温暖化の影響という指摘も。「脱炭素」を掲げながら、二酸化炭素を大量に排出する石炭火力発電を温存する政府の責任は重大です。


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