2025年4月16日(水)
万博の安全 責任体制を
参院委で山下氏 爆発濃度ガス問題で提起
![]() (写真)質問する山下芳生議員=15日、参院環境委 |
日本共産党の山下芳生議員は15日の参院環境委員会で、大阪・関西万博の会場内(大阪市夢洲〈ゆめしま〉)で6日、着火すれば爆発の危険がある下限濃度を超えるメタンガスが検知された問題を巡り、万博協会の対策のずさんな実態を追及し、対応をただしました。
山下氏は、夢洲で昨年3月に起きたメタンガス爆発事故を受け、万博協会が9月「ガス濃度把握と安全確認の徹底」を表明したが、実施されていなかったのは明らかだと批判。茂木正・内閣官房国際博覧会推進本部事務局長代理は「当該地点においては十分な対策ではなかった」と認めました。
今回ガスを検知した日本共産党の寺本けんた守口市議は直後、責任者に伝えるよう、現場近くの万博スタッフに要請しましたが、火器の取り扱い制限などはなく、防災センターに非常事態を伝えようとしても警備員に阻まれました。
万博協会の「対策」は「会場内の連絡・連携体制の確立および研修」も明記していますが、山下氏は「絵に描いた餅だ」と批判。茂木氏は「必ずしも適切な対応ではなかった」と認め「現場の警備員やスタッフ等も含め万博協会において万全の対応が行われるよう指導する」と答えました。
山下氏は「来場者の命と安全に真剣な考慮を払い、責任ある体制を構築しないなら万博を運営する資格が問われる」と強調。大阪市繁華街で起きた都市ガスの爆発事故(1970年)や、兵庫県姫路市の埋め立て地でのガス爆発事故(2010年)の実例を示して危険性を指摘しました。
山下氏は、すべての地下ピット(地下に設けられた空間)に強制換気装置とメタンガスの常時モニターを設置し、会場全体にメタンガスの知識を習得し、訓練されたスタッフを配置することを提案。茂木氏は「ご指摘の提案も万博協会に伝え検討させたい」と述べました。