2025年4月15日(火)
トランプ関税 全面撤回求めよ
田村委員長 石破首相に迫る
衆院予算委
日本共産党の田村智子委員長は14日の衆院予算委員会で、トランプ米大統領による一方的な関税措置は日米貿易協定違反だと指摘し、全面撤回を求めるという確固たる立場で米国との交渉に臨むよう石破茂首相に求めました。
![]() (写真)質問する田村智子委員長=14日、衆院予算委 |
田村氏は石破首相に、トランプ氏との電話会談(7日)で「撤回を求めたのか」と追及。首相は「見直しを求める。それは撤回の含意を持つ」などと述べました。田村氏は、トランプ氏自身が2019年の日米貿易協定で「自動車・自動車部品について追加関税を課さない」と合意したはずで、「一方的な関税は日米協定違反だ」との認識を伝えたのかと質問。石破首相は「貿易協定との整合性に深刻な懸念を有していることは申し上げた」と答弁しました。
田村氏は「交渉の基本的な姿勢がどこにあるのかが問われている」と指摘。「トランプ大統領自ら合意した協定を一方的に破棄するようでは米国の信頼は地に落ちる」「今後、どういう交渉をしても合意が誠実に履行される保証などない」と強調し、「交渉の目的は関税措置の全面撤回にあることをはっきりさせるべきだ」と主張しました。
米国の銀行最大手JPモルガンのCEO(最高経営責任者)も警鐘を鳴らすなど、世界でも米国内でも批判・見直しを求める声が次々と起こり、その結果、トランプ関税は毎日対応がコロコロと変わる事態だとして、「トランプ関税のほころび、破綻が始まっている」と指摘。「このときに『日本だけ除外してほしい』という交渉をすべきではない」と主張しました。「同時に『貢ぎ物外交』は絶対にやってはならない」として、また米国からの「農産物のさらなる市場開放」「防衛費GDP(国内総生産)比3%」などの要求にこたえないようくぎを刺しました。
石破首相は「日本は最大の投資国であり、最大の雇用創出国であり、同盟国だ。他の国と同じ扱いにしていいわけがない」などと答弁。田村氏は「それでは日本も米国と一緒に孤立しかねない」と指摘しました。
労働者・取引先企業への犠牲の転嫁許されない
トランプ関税に対し、自動車メーカーは調達や生産コストの削減で経営の影響を抑えようとしています。
トヨタ自動車幹部は「まずは原価をどう低減できるか考える」とNHKの取材に答えており、田村氏は「取引先企業へのコストカット圧力、非正規切り、賃金抑制などが大規模に起きかねない」と懸念を表明。トヨタ自動車などへの聞き取りを行い、労働者や取引先企業への犠牲の転嫁をしないことを経済界に要請するよう求めました。
「答弁通り撤回を」
田村委員長 会見で強調
日本共産党の田村智子委員長は14日、国会内で記者会見し、同日の衆院予算委員会で米国の関税措置について質問したのに対し、石破茂首相が「見直しを求める。それは撤回という含意を持つ」と答弁したことについて、「国会での答弁通りに、今後の米国との交渉で関税措置の全面撤回を求めるべきだ」と強調しました。
田村氏は、トランプ米大統領との電話会談後の石破首相の会見は「懸念を伝えた」というものだったと指摘し、同日の質問で追加関税を課さないと合意した2019年の日米貿易協定違反との認識を伝えて撤回を求めたかを確認したと説明。これに対し石破首相が「(関税措置は)容認し得ないので見直しを求める。それは撤回という含意を持つ」と答えたとして「国会ではっきり答弁したのだから、米国との交渉では何を譲るとか、どういう要求に応えるとかではなく撤回を求めるべきだ」と重ねて強調しました。
経済対策について問われ田村氏は、自動車メーカーがコストカットによって取引先企業や労働者への犠牲を転嫁しないよう政府として企業に要請すべきだと指摘。また、内需拡大で国内の経済をしっかり支えることが必要だとして、「消費税5%への減税を実現していきたい」と述べました。