2025年4月14日(月)
基地返還要求に逆行
山添氏 都心米軍新部署を批判
参院外防委
日本共産党の山添拓議員は10日の参院外交防衛委員会で、米軍が自衛隊の統合作戦司令部との連携を専門に扱う部署を、東京都心部の港区六本木にある米軍基地「赤坂プレスセンター」に新設する問題で政府の対応を追及しました。
同部署の設置は、米軍と自衛隊の指揮統制枠組みの向上、在日米軍司令部の「統合軍司令部」へのアップグレード(機能強化)の一環です。山添氏は、東京都や港区が同基地の返還を求めていると米側に伝えたのかと追及。中谷元・防衛相は、返還は困難だと説明していると述べ、「周辺地域への影響が最小限になるよう米側に働きかける」と答弁しました。
山添氏は「機能強化するのだから、最小限どころかより多くの影響が及ぶ」と指摘し、港区と港区議会が基地撤去などを求める政府への緊急要請書で「基地の恒久化につながることを強く懸念する」と訴えているとして、「逆行する機能強化を進めるのか」と批判。中谷氏は「より密接な日米間の調整機能は必要だ。そのためにこのセンターは必要だ」と開き直りました。
山添氏は、地元へのさらなる丁寧な説明を要求。「在日米軍の統合軍司令部へのアップグレードの開始」と題する防衛省の資料や、ヘグセス米国防長官の「第1段階が始まった」との発言を示して、その進捗(しんちょく)状況をただしました。防衛省の大和太郎防衛政策局長は「米国内での検討を経た上で段階的に進められる」などと答弁しました。
山添氏は「要するに米軍次第だ」と断じ、「日本は同盟国が西太平洋で直面する、いかなる緊急事態でも最前線に立ち、相互に支援しながら、ともに立ち向かう」とのヘグセス氏の発言通りにするのかと追及。「ヘグセス氏が言うように日米がともに協力をしていく」などと述べた中谷氏に対し、「憲法の制約をまったく考慮していない」と厳しく批判しました。