2025年4月11日(金)
労働安全衛生行政 体制強化を
特定機械検査の民間移管は危険
参院厚労委 倉林氏
![]() (写真)質問する倉林明子議員=8日、参院厚労委 |
日本共産党の倉林明子議員は8日の参院厚生労働委員会で、特定機械の製造時等検査の民間移管を可能にする労働安全衛生法改定案の危険性を指摘し、労働安全衛生行政の体制強化を求めました。
同改定案は、移動式クレーンなど特定機械の製造時等検査を、新たに民間の登録機関が実施できるようにします。倉林氏は、すでに民間移管されている特定機械の定期的な検査を行う民間登録検査機関の検査違反で死亡事案が発生していると指摘しました。
厚労省の岸本武史労働基準局長は、2003年以降の行政処分事案として、改善命令が6件、業務停止命令が2件発生しており、「過去の事案については大変遺憾だ」と答弁しました。
倉林氏は、移動式クレーンの製造には監督署による落成検査がなく、行政の検査なしに現場で使用されれば労災のリスクが高まると警鐘を鳴らしました。
その上で、民間移管により行政の監視機能の弱体化は避けられないと指摘。労働安全衛生分野の専門職員の技官が積み重ねてきた知見や豊富な経験が引き継がれていないとの現場の声を示し、計画的な技官の採用と行政の体制強化を求めました。
また、50人未満の事業所へのストレスチェックの拡大は実効性が担保されず、拡大に踏み出す根拠は乏しいと指摘。労災の最大の要因である長時間労働とハラスメントこそ是正すべきだと主張しました。