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2025年4月11日(金)

水俣病被害者救済を

仁比氏 不合理な線引きやめろ

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(写真)質問する仁比聡平議員=9日、参院決算委

 日本共産党の仁比聡平議員は9日の参院決算委員会で、水俣病の公式確認から69年、新潟水俣病は60年を迎える中、裁判でも国の従前の救済策では救済されない被害者が多く存在することが示されているとして、被害者の完全救済を求めました。

 仁比氏は熊本、新潟、大阪の各地裁で原告を水俣病と認める判決が出ていると指摘。被害者の「生きているうちに解決を」との声を受け、速やかな解決を求めました。浅尾慶一郎環境相は「係争中の訴訟については和解は考えていない」と冷たく言い放ちました。

 仁比氏は、救済対象を地域や年代で線引きする国の不合理性を被害者3人の証言を紹介して追及。熊本県天草市宮野河内で生まれ育った被害者は、子どものころ同じ魚を食べていた兄2人は対象地域(鹿児島県長島町)で漁師をしていたため救済されたが、自身は非該当とされました。鹿児島県阿久根市の折口地区で育った被害者は、魚を食べるのが当たり前の生活だったにもかかわらず、阿久根市の中でも対象地域外とされています。仁比氏は「地域を分断して線引きすることに合理性はない」と迫りました。

 水俣病特有の症状が出ていたが2015年に診断されるまで気づかなかったという被害者もいます。除斥期間を理由に救済しないことになれば「長い間苦しみ続けた人ほど救済されないのは人道に反する」とただしましたが、浅尾環境相は「コメントは差し控える」としか答えませんでした。

 仁比氏は、全国で水俣病被害者として救済を受けた人が7万2300人に上ると明らかにした上で、「国や県が指定した医師が検査し、感覚障害が認められる方が約5万人いる。認定された方がどこに暮らし、魚介を多食してきたのか居住分布を明らかにし、住民の健康調査を行い全ての救済を」と強調しました。


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