2025年4月11日(金)
きょうの潮流
幸せではないと感じる最大の理由は経済的な状況にある―。世界規模の世論調査会社が欧米やアジアなど30カ国の幸福感を調べたところ、そんな日本の現状が浮かび上がりました▼「現在の生活の質は良好」「5年後にはもっと良くなる」と答えた割合はどちらも日本が最下位。幸せや人生は良いと感じている人も30カ国の平均を大きく下回りました▼くらしの苦しさが幸福感に影響していることは日々ひしひしと。主食のコメの高騰は止まらず13週連続の値上がり。食品やガソリン、ガスや電気と、あらゆる物の値段が上がる一方で実質賃金はマイナス。中小・零細企業を中心に倒産も急増しています▼そのうえトランプ関税の発動で、生活への不安は増すばかり。米国は農産物の市場開放を要求し、ますます日本の食を危うくしようとしています。一方的な措置は工業や産業にも悪影響を及ぼすのに石破首相は米国の顔色をうかがう弱腰外交です▼ここにきて政府・与党は国民に現金を配ることを検討しているといいます。所得制限は設けず1人あたり5万円を給付する案が浮上していると。「国難」といいながら選挙を前にしたバラマキで済ますのか。物価高騰に最も有効で、インバウンド需要をはじめ格差が拡大している今こそ、消費税の減税と賃上げが求められているときに▼世界と比べ、現在の満足度も、将来への期待感も著しく低い国になってしまった日本。ひとえにそれは今の政治の責任ですが、正すことができるのも政治の力です。