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2025年4月10日(木)

主張

企業献金と国民民主

温存に手貸す補完勢力の愚行

 企業・団体献金にしがみつく自民党に国民民主党が助け舟を出し、全面禁止の実現を妨害しています。裏金事件の審判を受けて生まれた少数与党のもと、野党が一致すれば企業・団体献金の禁止ができるにもかかわらず、金権腐敗政治の根絶を投げ捨てる行為です。

 企業・団体献金をめぐっては衆院特別委員会で、立憲民主党など野党5会派が共同提出し日本共産党も賛成する全面禁止法案と献金を温存し献金企業名や献金額の一部公開にとどめる自民党の公開強化法案が議論されてきました。

 企業・団体献金は金権腐敗事件の温床となってきました。献金をテコに消費税増税や法人税減税、原発再稼働など財界・大企業による政策買収が進められてきました。害悪の根を絶つには全面禁止一択しかありません。世論調査では「禁止」が過半数です。

 国民民主党も総選挙後、「野党が一致すれば献金禁止に賛成する」(玉木雄一郎代表)と言わざるを得ず、同党さえ賛成すれば全面禁止法案可決が可能です。

■自民に大幅に譲歩

 ところが、与野党で結論を得る期限とされた3月末が迫ると、国民民主党は「全面禁止法案は与党の理解を得られない」と与党側に回り、公明党と共同で「規制強化」案なるたたき台をまとめ与野党に提示。その中身は、献金先を政党本部や都道府県の組織に限るもので、あくまで献金温存を前提としたものでした。

 さらに、3月31日の自公との3党実務者協議で「企業・団体献金は禁止しない」と確認し、「規制強化」案で献金先から除外していた政党支部について、オンラインで政治資金収支報告書を提出すれば献金を受け取れると合意。自民党に譲歩し、「規制強化」案を大幅に緩め、自ら骨抜きにしました。

 自民党案、野党案のどちらの法案も過半数をとれないなか、自公国3党は「3月末までに何らかの形で結論を得るべきだ」と主張し、両法案の採決も画策しました。自公国3党で献金温存の新たな法案を出し直すことを念頭に、自民党の法案とともに野党の全面禁止法案を否決し、葬り去ろうとしたのです。野党側は「企業・団体献金禁止は大きな流れになってきている。審議を打ち切るべきではない」(日本共産党の塩川鉄也衆院議員)とそろって反対し、委員会採決をさせていません。

 国民民主党は「野党案には抜け道がある」と事実に反することを言い、だから野党案には賛成できないというポーズをとっています。しかし国民民主党の案は抜け穴どころか大穴がそのままです。

■大義は全面禁止に

 小泉進次郎・自民党政治改革本部事務局長は「企業・団体献金禁止は自民党を弱体化させるものだ」と言い放ちました。企業・団体献金の問題を党の懐事情でしかとらえられない“金権賄賂体質”を示しています。国民民主党はその自民党の延命に手を貸しているのです。

 大義は全面禁止にあります。与党と補完勢力を包囲する世論と運動を広げ、今国会で全面禁止法を実現しようではありませんか。


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