2025年4月10日(木)
きょうの潮流
「撤回を求める」。7日の参院決算委員会、トランプ関税をめぐる山下芳生議員への石破茂首相の答弁に、あわてて周りの記者と確認しあいました。「今、撤回って言った?」「言った、言った」…▼ところが、石破首相はその夜のトランプ大統領との電話会談で「強い懸念を表明」と腰の引けた対応に。答弁からわずか数時間後、その日のうちに「撤回」を撤回しました▼日本共産党の国会論戦は痛快です。党議員の追及に首相をはじめ自公政権の閣僚たちがタジタジに。予期せぬ前向き答弁にびっくりすることも▼「格差が大きいと、消費税はその逆進性が顕在化します。結果として、低所得者に厳しい制度になってしまってはいないかという疑問が生じるのです。消費税についての議論をタブー視してはいけないだろう」。2022年の石破氏の著作にあります。2月の衆院予算委員会で、田村智子委員長がこの一文を挙げ、「タブー視しないで議論すべきだ」と迫ると、石破首相は「まず議論をしていかねばならない」と応じました▼では議論するのか。予算成立を受けた4月1日の会見で、石破首相は「消費税は全世代型の社会保障を支える重要な財源だ」と従来方針を繰り返しました。ああ、またか…▼国会は国権の最高機関。だからこそ議員は閣僚の言質を取ろうとします。真剣勝負の場である国会での“手のひら返し”は、政治家としての資質にかかわります。国会答弁がその場しのぎの空文句ばかりなら政権は退場しかありません。