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2025年4月9日(水)

女性黙らせるミソジニー暴力

共産党が根絶要求

 生理用品をトイレに置いてほしいとSNSに投稿した日本共産党の吉田紋華(あやか)三重県議に殺害予告が行われるなど、ジェンダー平等を求めて声をあげる女性への攻撃が相次いでいます。日本共産党の辰巳孝太郎衆院議員、仁比聡平参院議員は8日の国会質疑でこの問題をとりあげ、家父長制を背景にしたミソジニー(女性嫌悪)に基づく暴力の根絶を求めました。

ハラスメント禁止法を

辰巳氏

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(写真)質問する辰巳孝太郎議員=8日、衆院総務委

 辰巳氏は、政府も推進する生理用品のトイレへの設置を発信しただけで殺害予告が行われる背景に、ミソジニーがあると指摘しました。「ミソジニーによる暴力・差別の目的は家父長制に基づく社会システムを壊そうとするものを黙らせるもの」だと強調。各国でもミソジニーに着目した暴力の分析と対策が始まるなか「日本もミソジニーに着目した研究、分析、対策が必要だ」とただしました。

 内閣府の辻清人副大臣は「効果的な調査分析のあり方について委員の指摘も参考に不断の検討を重ねる」と答弁。辰巳氏は、女性たちを黙らせてきた家父長制にしがみつく政治が問われていると指摘しました。

 辰巳氏はフジテレビの性加害問題に関する第三者委員会の報告書を取り上げ、「メディア業界自らがハラスメント・性暴力は許さない、ジェンダーの視点で業界のあり方を見直していくべきだ」と訴えました。同報告書で、被害者の多くが、加害者や周囲から特定され、報復されることを恐れており、二次被害から被害者を守り抜くことを求めていると強調。中居正広氏から性暴力を受けたとされる女性に、SNS上で目に余る攻撃が続いているとして、「この背景にもミソジニーがある」と主張しました。

 辰巳氏は政府の姿勢も問われるとして、「セクシュアルハラスメントへの刑事罰、民事救済の規定を持つ法律がない国は経済協力開発機構(OECD)加盟国では日本とチリだけだ」と指摘。国際労働機関(ILO)が2019年に採択した「労働の世界における暴力とハラスメント禁止条約」でも求めているように「ハラスメント禁止を法制化すべきだ」と迫りました。

加害者特定し処罰せよ

仁比氏

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(写真)質問する仁比聡平議員=8日、参院法務委

 仁比氏は参院法務委員会で、政府の支援で生理用品を庁舎のトイレに備え置きしている自治体は121、全公立高校のトイレに置いている都県は15、全小中学校のトイレに置いている市区町村は295と広がっていることを指摘し、複数の施設のトイレに生理用品を置いている伊賀市の稲森稔尚市長の「生理の問題は個人の自己責任にするのではなく、社会的な解決が必要との認識を、性別問わず広げる必要性がある」との言葉を紹介しました。

 仁比氏は「リプロダクティブ・ヘルス&ライツ(性と生殖に関する健康と権利)は当然の要求であり、これを攻撃することは人権を侵害することだ」と批判。吉田県議への攻撃は「住民とともに声を上げる女性議員を嫌悪し、攻撃することで、同様の願いを抱いている多くの人を黙らせ、従わせようとするもの」だとして、ジェンダーに基づく、暴力や蔑視は許されないとただしました。

 鈴木馨祐法相は「女性の尊厳を守る中で不当な偏見、差別があってはならない」と答弁しました。

 仁比氏は、殺害予告などで正当な活動をやめさせようとする行為は、脅迫罪や強要罪などの刑法犯を構成しうると指摘。性搾取に遭う少女らを支援する「Colabo(コラボ)」や活動者にも海外サーバーを経由して攻撃メールが送られてきたとして、「加害者を特定し、厳正に処罰することで、こうした加害を根絶するべきだ」と求めました。


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