2025年4月9日(水)
安倍政権介入 全容示せ
参院委 学術会議人事巡り井上氏
![]() (写真)質問する井上哲士議員=8日、参院内閣委 |
日本共産党の井上哲士議員は8日の参院内閣委員会で、2020年の日本学術会議会員の任命拒否問題を巡り、安倍政権が会員の選考決定に事前介入していたことを告発し、経緯と任命拒否の理由を明らかにすべきだと迫りました。
井上氏は、任命拒否された6人の当事者等による情報公開請求で明らかになった会員選考の経過に関する資料を示しながら追及。資料には「R2.6.12」の日付とともに、同年9月に任命拒否された6人の氏名と肩書、その上に大きなバツ印が記されています。
井上氏は、政府が同文書について「任命権者側から日本学術会議事務局に、令和2年(20年)任命に向けた会員候補の推薦に係る事項として伝達された内容を記録したもの」と説明していると指摘。「任命権者とは誰で、誰に伝達され、誰が記録したのか」「バツ印は官邸の任命権者がつけたのか」とただしました。
さらに、資料の日付は「20年6月12日」で、安倍政権下であり、学術会議の幹事会が次期会員候補案を決定した同年6月25日より前だとして「安倍官邸の事前介入があったということではないか」と追及。林芳正官房長官は「推薦名簿提出前に意見交換が行われたが、任命の考え方のすりあわせまでには至らなかった」と述べ、事前介入自体は否定しませんでした。
林官房長官が「人事のことであり、答弁は差し控える」と繰り返したのに対し、井上氏は、介入の経過や一連の手続き自体の法令違反が問われていると批判。学術会議を法人化し、事実上解体する今国会提出法案の撤回を求めました。