日本共産党

しんぶん赤旗

会議・報告

残る1週間、勝利のために何をなすべきか

京都活動者会議 志位議長の発言

2025年7月12日

連日のご奮闘に心からの敬意を表明します。選挙戦はあと一週間となりました。この会議は、党としての活動者会議ということですので、ともにたたかう同志として発言をしたいと思います。

7日に常任幹部会の訴えをだしました。常任幹部会として、現状を突っ込んで議論をしまして、なんとしても勝ちたいという思いで、心を込めて全党のみなさんに訴えた内容になっています。この訴えを基本にして、この選挙をいかにして勝ち抜くかについて四つの点を話したいと思います。

参院選の現瞬間の情勢をどうつかむか

第一は、参院選の現瞬間の情勢をどうつかむか、という問題です。

わが党は、5中総決定で、「参院でも自公を少数に追い込み、自民党政治を終わらせる展望を開く」ことを、参院選の政治的な大目標にすえ、国民に訴えてきました。この大目標が現実のものになる可能性が生まれてきています。どの情勢調査をみましても、「自公過半数割れ」の可能性と報じています。自公の支持基盤が音を立てて崩れつつあるのです。これ自体は、日本共産党の頑張りがつくりだした変化だということに、私は、確信をもとうではないかということを言いたいと思います。

「しんぶん赤旗」の裏金スクープと党の追及で、昨年10月の総選挙で、衆議院で自公を少数に追い込みました。その後の7カ月のたたかいで、ジグザグはありますけれども一歩一歩自公政権を追い詰めてきました。市民と野党の共闘という点でも、新しく発展させていく粘り強いとりくみをおこない、野党間で連携の合意を確認し、全国32の1人区のうち17選挙区で候補者を一本化しました。この効果は、いまはっきりとあらわれつつあります。自民党を追い詰める力を発揮しています。

同時に、自公がかりに少数になっても、自公の補完勢力や排外主義の潮流が伸びたら日本の政治は良くなりません。自民党政治に正面から対決し、国民の立場で対案を示し、国民との共同を大事にする、日本共産党が伸びるかどうか、これが選挙後の情勢を展望した場合に、政治をさらに前に動かすことができるかどうかの最大のカギとなっています。衆議院に続いて参議院でも自公を少数においこむ、そして、自公を少数においこむだけではなくて、日本共産党が伸びれば、私は、自民党政治に代わる新しい政治を国民が模索し探求する「新しい政治プロセス」がさらに一段と前に進み、自民党政治を終わらせて、希望ある新しい政治をつくる道が開かれてくると思います。

日本共産党が伸びるかどうかに、日本の政治の前途がかかっている。そういう意味で、私たちはいま、大きな歴史的岐路に立っています。自公政治を追い詰めるところまできつつあるのですが、追い詰める「主役」だった日本共産党がここで伸びるかどうか、伸びれば、日本の政治プロセスはさらに前に進みます。そのことを自覚して、最後まで力をつくそうではありませんか。(拍手)

選挙情勢をどう見ているかですが、比例代表の現状は、目標の5議席にはまだかなりの距離があります。ただ国民の反応はどこでも温かい。論戦ではどの問題でも圧倒的にリードしています。ですから今度の選挙、何か、政治的に「壁」があって、私たちの訴えが届かないということはありません。訴えれば訴えただけ支持が広がるというのが、この選挙の特徴なんです。私たちがあと一週間、力を出し尽くして奮闘すれば、比例代表で、3議席を固め、4議席にはい登り、5議席に手が届く可能性がある。そういう状況だと考えています。最後の最後まで、広げぬいて比例5議席を必ずやり抜こうということを訴えたいと思います。

選挙区の現状についていいますと、現有議席をもっている東京、京都、埼玉、新しくチャレンジする神奈川、大阪、愛知は、どこも当落線上の大接戦、もしくは当落線上に向けて猛追という状況です。どこもこれからの奮闘で決まるという状況です。

日本の政治をさらに一歩前に動かす、そのために必ず日本共産党の躍進を勝ち取ろう、京都で勝ちとろう、このことを訴えたいのであります。(拍手)

比例代表を自らの選挙としてたたかいぬき、必ず5議席の実現を

第二に、常任幹部会の声明では、比例代表選挙を自らの選挙としてたたかいぬき、「比例を軸に」を貫くということをとりわけ重視して訴えました。常任幹部会の声明では次のように述べています。

「全党のみなさんに率直に間いかけたいことがあります。それは、『比例代表選挙を自らの選挙としてたたかっているか』ということです。みなさんは、それぞれの地域で地方選挙をたたかうときには、どこでも『自分たちの選挙』として懸命に頑張っておられると思います。それと同じ力、さらにそれ以上の力が発揮されているでしょうか。比例代表選挙を『遠い選挙』ととらえる傾向がないでしょうか」

なぜこうしたことを率直に書いたのか。それは比例代表選挙が「自らの選挙」になっているとは言えない現実に、ぶつかったからです。私は、遊説の合間に、各県の県委員長のみなさんに激励の電話をかけることがあります。ある県委員長に激励の電話をかけました。私が、「状況はどうですか」と尋ねますと、「なかなか、すすんでいません」というお話でした。「どうしてですか」と聞くと「どうも暑いものですから」との答えです。もちろん暑さの対策はしっかりやってたたかうことが重要であることは言うまでもありません。しかし暑いのはどの党も同じですし、それを理由にしていては進みません。これでは本気で比例代表に責任を負っているとはいえないのではないですかともお話しをしました。ただこれは中央自身のイニシアチブが弱いことのあらわれととらえて、全国のみなさんに提起しようということになったのです。

党の命運がかかった常任幹部会の声明ですので、出しただけではなくて、中央として、都道府県委員長のみなさんに、常任幹部会の声明をどう受け止め、どう現状を打開しようとしているかの報告をお願いしました。全都道府県から真剣な報告が届きました。そこには率直な自己分析と、打開への決意が書かれていて、たいへん心強いものでした。「どうも暑いものですから」といった県委員長さんも、自分の姿勢をきちんと正して比例代表選挙をやり抜くという決意を寄せてくれたことも、心強いことでありました。

ある県の県議会議員の同志からこういう反応がありました。

「これまでの国政選挙では、宣伝カーに乗って訴えるだけでした。今度の選挙でもそうなっていました。しかし、自分の選挙では宣伝カーに乗るだけではなくて、訪問活動も両方ともやっていました。この参院選でも、自分の選挙でやっているように、宣伝も、訪問活動も両方やらなければと決意しました」

そしてこの同志は、比例代表を文字通り「自らの選挙」として、訪問対話による「担い手広げ」に頑張ろうと決意し、支部のみなさんや女性団体グループのみなさんと一緒に行動し、1日で23人の訪問対話を行ったという嬉しい報告を寄せてくれました。京都でも、地方議員のみなさんが同じ決意で奮闘を始めている経験が広がっているとうかがいました。すべてのみなさんが比例代表選挙を「自分自身の選挙」としてたたかって、立派な成果をだそうということを心から訴えたいと思います。

とくに京都のみなさんにお願いしたいことがあります。それは京都では「二つの勝利」をぜひ勝ち取ってほしい。つまり比例代表で25万票を獲得する。倉林明子さんの議席を絶対に守り抜く。「二つの勝利」をどうかかちとってほしいということです。この二つの勝利は不可分に結びついています。比例で25万を獲得するというのは、倉林さんの議席を守り抜く一番確かな土台になります。倉林勝利のために必死で頑張りぬくことは、それと自覚的に結びつけるならば比例躍進の力になってきます。

比例代表についていいますと、昨年の総選挙の比例代表の結果をみますと、全国の都道府県で第一位の得票率を獲得しているのは、京都府の11・85%、12・7万票だったのです。日本共産党の党組織のなかでは、京都府が比例で全国第一位なのです。全国平均では得票率が6・15%でしたから、全国平均の2倍の得票率を獲得した。これが京都のみなさんの頑張りだったのです。今度は、これを25万票まで、約2倍にのばそうということが目標ですが、どうか京都でこそやりきってほしい。全国一、分厚い党と後援会をもつ京都で、比例の躍進をかちとらなくて、どこでかちとるのか。「京都の比例25万なくして5人全員の勝利なし」ということを合言葉にしていただいて、どうか広げていただきたい。そのことを訴えたいと思います。(拍手)

倉林明子候補の勝利をどうやって勝ち取るか――2つの「方程式」をにぎって

第三に、倉林明子候補の議席をどんなことがあっても守り抜かなければなりません。その勝利の「方程式」はどこにあるのかということです。

今日の街頭演説でもお話したのですが、第一の「方程式」は、比例代表で25万票への大きな波をつくりだし、その波のうえに倉林明子さんの抜群の魅力をのせるということであります。いまの選挙区の情勢は、かなり混沌としていて、大激戦、大接戦という以外に形容ができないような状況です。そして今後、いろいろな情勢の変動が起こり得ると思うのです。どんな情勢の変動があっても、倉林さんの勝利を勝ち取る最大の保障となるのは、比例で25万票への流れをつくることです。これが最大のカギです。この土台があれば、どんな情勢の変動があっても、必ず押し上げることができます。

私は、今日、街頭演説で、倉林明子さんの政治家像について、若干お話させていただいたのですが、倉林明子さんほど、その魅力と、日本共産党の魅力が、ぴったりと重なり合う政治家はそうはいないと思います。そのことを、私は、倉林さんの国会議事録を読んで痛感しました。医療、介護、年金、障害者、ジェンダー、消費税、どの問題でも現場の声、現場の実態、現場の苦しみを突き付け、一歩も引かない。いい加減な答弁が返ってきたら、「現場ではそんな話は通用しません」と打ち破っていく。この姿勢は、「国民の苦難の軽減のために献身する」という日本共産党の立党の精神そのものではないでしょうか。倉林さんが広い方々に信頼を集めているのは、倉林さん個人の人柄、見識、実力によるところも大きいですが、何よりも日本共産党の国会議員だということにあると思うんです。比例躍進の波に、倉林さんの魅力を乗せて勝利をつかもう。これが倉林勝利の第1の「方程式」だということを訴えたいと思います。(拍手)

第二の「方程式」は、倉林明子さんを「京都の市民の共同候補」として、党派の違いを超えた力を結集して押し上げることです。京都はなかなか野党共闘が難しい状況なっています。そのもとでも、京都の党のみなさんは、市民と野党の共闘を前進させるための粘り強い努力を行い、倉林さんはその先頭に立ってきました。こうした共闘に対する誠実な姿勢が、いま、力を発揮しているのではないでしょうか。

9日付、「しんぶん赤旗」日刊紙近畿版に掲載された尾藤廣喜(びとうひろき)弁護士の倉林さんの推薦の弁はとても心を打つものでした。

「倉林さんの良さは、現場の状況を良く見られているので、具体的な事例をあげて政府の責任、制度の欠陥を追及していることにあると思います。いつも弱い人の立場に立って制度の運用を考えているという意味で、党派を離れて府民、市民、国民のための大事な方です」

尾藤弁護士は、元厚生省官僚で、「命のとりで裁判」の弁護団の中心でがんばり、京都でも全国でも広く信頼されている方です。そうした方から寄せられているこうした評価は嬉しいことではないでしょうか。

もう一つ、心を打たれたのは、7日付「しんぶん赤旗」日刊紙5面に掲載された白坂有子(ゆうこ)さんの倉林さん応援の弁です。

「いつも市民運動とともにたたかい続けてきた倉林明子さんに、今回は無所属議員や無党派・超党派で市民活動をしてきた人が次々と応援を表明しています。私たちは、倉林さんは市民と野党の共同の候補者だと思っています」

これもうれしい推薦です。今日の街頭演説会でも、宇治市の無所属の市議会議員の佐々木まゆみさんから、たいへんに心のこもった応援のお話しをいただきました。

倉林さんご本人に状況をお聞きしたところ、「面白いですよ」と言われるんですね。何が面白いのですかと聞くと、市民的な応援の輪がどんどん広がっていることとともに、これまで自民党の支持者や後援会員だった方からも、自民党候補者のあの「ひめゆり」発言、北陸新幹線延伸を推進する態度などを見て、「今度ばかりは倉林さん」という流れが起きつつあると思うと言われていました。

私は、今日の街頭演説で、京都出身の自民党の重鎮政治家だった野中広務さんの思い出に触れて、野中さんが自民党候補のふるまいを見たら、「顔を真っ赤にして怒るだろう」とのべました。かつての自民党には、保守政治なりの見識、信念を感じた政治家がいました。ところがその劣化がはなはだしい。京都の候補者はそうした劣化を象徴していると思います。負けられません。そういうもとで、保守の方々にも広く働きかけていこうではありませんか。「京都の市民の共同候補」として、倉林支持を広げに広げぬき、必ず勝利しようではありませんか。(拍手)

「担い手」を広げに広げて必ず勝利を――ここに力を集中しよう

第四に、それではどうやって勝つか。

常任幹部会声明では、「3つの突破点」の全体に力を入れながら、そのなかでもとりわけ「担い手づくり」「担い手広げ」に思い切って力を集中しよう、300万の「担い手」づくりをやり抜いて選挙に勝とうと訴えました。なぜそういう強調をしたか。それには三つの理由があります。

一つは、いまの党の自力で勝利を勝ち取るには、この道しかないからです。私たちは党の大会決定にもとづいて自力をつける努力を続けてきました。いろいろな成果もあがっていますが、選挙に間に合っていません。それではどうするか。「力が足らない」と嘆いていても始まりません。ここでも本気でこのたたかいに勝とうとすれば、すべての党員が立ち上がることを基本としながら、読者、後援会、サポーター、支持者のみなさんとともにたたかう選挙にしていく。ここに唯一の活路があります。

二つは、これは都議選の最大の教訓だということです。私は、2人区で見事に勝利した文京区、3人区で新旧交代に見事成功した北区に、選挙戦の最終日に応援に入ったのですが、現地に行って驚きました。最後の最後まで「担い手広げ」をやりぬいているのです。運動員のみなさんが、街頭演説に集まってくれた顔見知りの方に、「担い手袋」を3部、5部と渡して、「広げてください」と訴え抜いています。最終日は、文京区は白山上、北区は十条と赤羽で訴えたのですが、どこでもそうした活動をやっているのです。最後は、どこまで広げてくれているかつかめなくなったが、選挙後の報告会で「こんなにも支持を広げてくれていたのか」となった経験もたくさんあったそうです。北区の場合は、告示から最終盤までの短期日に「担い手広げ」にしがみつき、やりぬいて勝利をつかんだ。短期間のうちに最後までやりきったのです。この経験を、全国でも大いに生かし、京都でも生かそうではないかということを、訴えたいと思います。(拍手)

三つは、4中総以来、半年間にわたって取り組んできた要求対話・要求アンケートの活動が、いま「担い手広げ」に大きな力を発揮していることです。組織活動の現在の全国的な到達点は、対話344万(前回同日比60%)、支持拡大264万(同63%)、「担い手広げ」95万(同121%)となっています。対話・支持拡大は、遅れを一気に取り戻していきたいわけですが、「担い手広げ」のペースが前回より進んでいることに、私たちは注目しています。なぜかと調べてみますと、半年間にわたって取り組んできた要求対話・要求アンケートの活動が、ここにきて力を発揮している。京都でも、京丹後市の網野町の経験をうかがいました。ここでは、400人まで増やした後援会員を、4中総を受けて、要求対話・要求アンケートに取り組むなかで450人まで増やした。そのほぼ全員が「担い手」としてともに選挙をたたかっているということです。半年間にわたって取り組んできた要求対話・要求アンケートの運動は、わが党にとって選挙の質を変える取り組みになっている。その力を、あと一週間、存分に生かして勝利をつかもうではありませんか。

最後に、私自身の決意を一言、申し上げます。最後までみなさんと心ひとつに、また一緒にがんばり抜きたい。最終日に京都に応援にうかがいます(拍手)。午後から、夜の8時まで訴えを続けたいと思います。どんなことがあっても、この宝の議席を落とすわけにはいきません。比例でも25万をやりとげましょう。「日本の夜明けは京都から」の結果を必ず出しましょう。最後までともに頑張る決意を述べまして、私の発言といたします。(拍手)