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2026年6月14日

主張

皇位継承の問題
世論と憲法に背く見切り発車

 衆参両院の正副議長が、皇位継承のあり方に関する全体会議で、皇族数の確保策に向けた「立法府の総意」をとりまとめました(10日)。高市早苗政権はそれにもとづいて皇室典範の改定案をつくり今国会で成立を目指すとします。

■「総意」とは言えぬ

 しかし、「とりまとめ」の内容は全体会議の総意でもなければ、国民の総意でもありません。これを「総意」だとして、国民的議論抜きに立法作業に進むのは許されません。

 「とりまとめ」は皇族数の確保策として、(1)女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する(2)戦後に皇籍を離れた旧宮家の男系男子を皇族の養子に迎える―の2案を「了」とし、これをもとにした法制化を求めています。

 皇族数確保についての「とりまとめ」とされていますが、実際は皇位継承をどう図るかと不可分に議論されています。そこでは、男系男子による継承が「不動の原則」とされ、養子の子に皇位継承権を与えて、女性天皇・女系天皇を封じることが念頭に置かれています。

 各社の世論調査では、女性天皇に「賛成」が7~8割を占め、女系天皇にも大多数が賛成しています。女性・女系天皇を認めないことを前提とするのは、国民の声とかけ離れています。国民の代表である立法府(国会)の「総意」とはとても言えません。

 全体会議でも、日本共産党が、男女平等を掲げる憲法の精神に反するとして反対したのをはじめ5党派が反対しており、全体会議の「総意」でもありません。

 「とりまとめ」は、女性皇族が結婚後も皇族にとどまる場合に、夫と子どもを皇族とするかにふれていません。女系天皇につながるとして議論がある問題を先送りしています。夫や子どもを皇族としない場合、一般人として政治活動などができることになります。養子の子に皇位継承権を認めるかにもふれていません。強引に見切り発車すれば、さまざまな矛盾や国民的反発を招くのは必至です。

■女性天皇の議論を

 天皇の制度は憲法上の制度です。日本共産党は、一個人が国を象徴し、世襲する制度は人間の平等に反すると考えますが、それを国民に押し付けることはしません。現憲法の全条項を厳格に守る立場から、天皇は「国政に関する権能を有しない」とする象徴天皇制を認め、存廃は将来的に国民の総意によって解決されるべきものと考えます。

 皇位の継承も憲法にもとづくべきです。憲法は、天皇は「国民統合の象徴」であり、その地位は主権者・国民の総意にもとづくとします。

 多様な性を持つ国民の統合の象徴を男性に限る合理的理由はなく、男性や男系に限定するのは男女平等を掲げる憲法の精神に反します。女性天皇を認めることは、国民の中でのジェンダー平等を発展させることにつながります。憲法にもとづき女性天皇について正面から議論すべきです。

 憲法学者など有識者の意見聴取や国民の声を聞くパブリックコメントなどで広く国民的な議論を行い、国民の総意を形成するよう努めることが国会の責務です。