日本共産党

メニューとじる

すべての記事が読める

赤旗電子版購読お申し込み

2026年4月30日

主張

殺傷武器輸出解禁
イラン攻撃の米国にも可能に

 高市早苗政権は、「防衛装備移転三原則」とその「運用指針」の改定を強行し、戦闘機や艦船、ミサイルなど、殺傷・破壊能力を持った武器の輸出を全面的に解禁しました。イランへの先制攻撃をはじめ、国連憲章・国際法違反の戦争を繰り返す米国への輸出も可能です。日本国憲法の精神にのっとり、国際紛争の助長を回避するという「平和国家」としての日本の立場を捨て去るものです。

■歯止めは何もない

 防衛装備移転三原則と運用指針の改定は、国民にも国会にも一切諮らず、21日の閣議で強行されました。重大なのは、これまで国産武器の完成品の輸出を非戦闘目的に限っていた「5類型」(救難、輸送、警戒、監視、掃海)を撤廃し、殺傷武器の輸出を原則可能にしたことです。

 殺傷武器の輸出先については「国連憲章の目的と原則に適合する方法で(武器を)使用することを義務付ける国際約束(防衛装備品・技術移転協定)」を日本と結んでいる国に限るとしています。政府は、現在の締結国は米国や英国など17カ国としていますが、協定を結びさえすればいくらでも拡大できます。

 しかも、「国連憲章に適合した使用を義務付ける国際約束」を締結しているからといって、それが順守される保証はありません。現に米国のトランプ大統領は「私には国際法は必要ない」と公言し、国連憲章や国際法を二重三重に踏みにじるイラン攻撃を行っています。

 政府は、日本から輸出した武器が「他国への侵略に使用していることが確認される場合には、使用停止を求め、相手国に対し是正を強く要求する」としています(小泉進次郎防衛相、21日、参院外交防衛委員会)。

 日本共産党の山添拓議員は2023年の防衛装備移転三原則と運用指針の改定に基づき米国に輸出したパトリオット・ミサイルを米軍がどのように使っているのか、イラン攻撃に使用していないか調査が必要だと追及しました。しかし、政府は「米軍の運用について詳細を答えることは差し控える」とし、調査の有無を含めて明らかにしようとしません(同)。これでは何の歯止めにもなりません。

■「紛争助長国家」に

 今回の改定では、殺傷武器の輸出について「武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国」に対しては「原則認めない」ともしています。しかし、政府は「米国において現に戦闘が行われているとは認識をしていない」(木原稔官房長官、22日、衆院連合審査会)とし、イラン攻撃など海外での戦闘は含めていません。

 しかも、「現に戦闘が行われていると判断される国」になったとしても、「安全保障上の必要性」があれば「認め得る」ともしています。政府はその例として「インド太平洋地域における米軍の態勢を維持するためにわが国の装備品を必要としているケース」(同)を挙げています。

 今回の武器輸出全面解禁は、米国の無法な戦争を支援する「国際紛争助長国家」に日本を変質させるものであり、撤回しかありません。