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2026年1月29日

シリーズ 共産党政策にみる

富の一極集中ただす

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(写真)総選挙の第一声をあげる田村智子委員長の訴えを聞く人たち=27日、東京・池袋駅西口

 「物価高で暮らしが苦しい」という国民の声にどう応えるか。総選挙では経済政策が大きな争点になります。大企業と大株主の利益を優先して「富の一極集中」を促す高市早苗政権に対し、日本共産党は「国民の暮らし第一」への大転換を掲げています。

インフレ不況

 「日本経済は深刻な『インフレ不況』に陥っている」と指摘するのは、下関市立大学の関野秀明教授です。「インフレが加速し、労働者・市民は実質賃金の低下と、消費税・所得税の負担増大(インフレ税)に苦しんでいます」

 2025年の物価上昇率(前年比)は「総合」(全品目)で3・2%、「食料」で6・8%に達します。実質賃金は11カ月連続で低下し(図1)、アベノミクス(安倍晋三政権の経済政策)が始まった12年前と比べて年額34万円も減りました。そのうえ物価・名目賃金上昇に伴う消費税・所得税負担の増大が国民生活に重くのしかかっています。

 異常円安による物価高騰は異次元金融緩和などアベノミクスの結果であり、政治災害です。この大失政を加速させているのが、大軍拡や大企業へのばらまき拡大を進める高市政権です。

 「高市政権の『責任ある積極財政』は、赤字国債を大増発する冒険的で誤った『景気対策』で財政悪化への懸念を強めて円と国債の投げ売りを呼び、『高市ショック』を引き起こしています。円安・長期金利の急上昇・インフレが進んでいます。一方で、赤字国債増発に頼った大企業支援策は、長時間労働の規制緩和や社会保障の切り捨て(大企業の保険料負担軽減)とセットで大企業の期待利潤率を上昇させ、異常な株価上昇を誘導しています」

いびつな仕掛け

 下がり続ける実質賃金と対照的に、年始から日経平均株価は急騰し、一時5万4000円を突破。大企業は史上最高益を4年連続で更新し、大企業の株式を大量保有する大株主(大金持ち)の資産が膨張しています。大企業と大株主への富の一極集中が極端にひどくなっているのです。

 労働者の生み出す富が、なぜこれほど不平等に分配されるのでしょうか。根底には、大企業の利益と大株主への分配を優先するいびつな仕掛けがあります。国民生活と日本経済を停滞・衰退に導いてきた自民党政治のもう一つの大失政です。

自社株買いに歯止め 全国民に安心と希望

共産党の経済政策

 労働者の生み出す富がどれほど偏って分配されているかは、大企業(資本金10億円以上)の資金の流れをみれば一目瞭然です。(図2

 アベノミクスが始まる直前の2012年を起点にすると、その後の12年間で、大企業の当期純利益は3・5倍に増えています。株主配当は2・8倍、株価をつり上げるための自社株買いに注ぎ込んだ資金は9倍です。株式の配当益や値上がり益は保有株式数に比例して増えるので、大株主の資産が大膨張したことになります。

分配の偏り激化

 他方、大企業が株主に分配せず社内に留保した利益(内部留保)も333兆円から561兆円へ200兆円以上も積み上げられています。ところが、内部留保は賃上げや設備投資に使われず、賃金と固定資産(設備投資)はそれぞれ1・2倍と低迷(実質賃金は低下)しています。こうして、株式を大量保有する大金持ちへ富が一極集中し、大多数の国民が貧しくなり、日本経済が停滞したのです。

 近年、分配の偏りを激化させているのが自社株買いの急増です。過去2年間に上場企業が自社株買いに使った資金は33兆円にのぼり、これらの企業の正社員給与総額の2年分に匹敵します。(図3

 責任は自民党政治にあります。自社株買いは会社財産を流出させて相場操縦の温床となるなどの理由で原則禁止されていました。1994年以降の一部解禁を経て、2001年に小泉純一郎政権下で自民党が議員立法を主導し、それを原則自由化したのです。さらに安倍政権が株主の権利を最上位に置く企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)を15年に策定したため、海外の投資ファンドなど「物言う株主」の権力が強まり、自社株買いが急増しました。

 自民党政治は企業役員への株式報酬も推進したため、自社株を大量に保有した役員らが配当増額や自社株買いで株価をつりあげ、自らの資産を膨らませています。株主に分配できる利益を増やすために、業績が好調でも従業員を減らす「黒字リストラ」まで広がっています。東京商工リサーチの調査によると、昨年、早期退職を募集した企業の7割が黒字でした。

産業の発展阻害

 大企業優遇政治で膨らむ利益をもっぱら大株主に分配する、「大株主ファースト」の仕掛けが組み込まれた経済では、賃上げや設備投資は低迷し、企業や産業もまともに発展しません。米国やフランスは自社株買いに課税するなどの規制に乗り出しています。しかし、高市政権は大株主ファーストの「資産運用立国」を続ける方針です。中道改革連合は政府系ファンドを創設して投資で財源をつくる「基本政策」を掲げます。政府が株価に振り回され、財源確保を理由に大株主ファーストに拍車をかけかねません。

 日本共産党は総選挙政策(21日発表)で、自社株買いを規制して大株主ファーストに歯止めをかけ「労働者が生み出した富を、労働者の手に取り戻す大改革」を打ち出しました。そのうえで「すべての国民に安心と希望をとどける」総合的な政策(別項)を提案しています。

 電機・情報ユニオンの森英一書記長は自社株買い規制を歓迎します。「電機産業は11年以降100万人近いリストラを実施しており、そのほとんどが黒字リストラです。リストラ計画を公表してこなかった企業が近年公表するようになったのは株主への従属の表れです。労働者を非情に切り捨てたうえ、設備投資や研究開発を停滞させ、産業の発展も阻害しています。株主至上主義をやめさせることが必要です」

 関野教授は「世界的にインフレ鎮圧のための金利上昇は避けられない情勢だからこそ、日本共産党の重点政策を実現し、金利が上がっても生活・商売を持続できる経済に転換する必要がある」と強調します。「『消費税5%減税と社会保障の充実』を大企業・富裕層への応能負担を財源に実現するという提案は現実的です。『農業支援(価格保障と所得補償)』『原発ゼロで再生可能エネルギー拡大』も食料・エネルギーの供給力を高め物価を下げるうえで有効です。『1日7時間・週35時間労働制』の提案は『男の長時間過密労働』『女の不規則不安定雇用』という働き方の二極化を解消し、労働時間、職場の責任と権限を男女平等にシェアして『同一価値労働同一賃金』に道をひらくものです。政治の右傾化と『インフレ不況』が止まらない今、日本共産党の『重点政策』は論争の基準にふさわしいものです」


全国民に安心と希望

―日本共産党の提案のポイント

▽中小企業への直接支援と一体で最低賃金をすぐ1500円に引き上げ1700円へ。大企業の内部留保への時限的課税で財源をつくる。

▽介護・医療・保育・福祉で働く労働者の賃金を大幅に引き上げる。

▽賃上げと一体で「1日7時間、週35時間」労働制をめざす。

▽消費税の廃止をめざし、ただちに5%減税。インボイスは廃止する。

▽社会保障の削減路線をやめさせ、拡充にきりかえる。

▽教育への公的支出を増やし、教育費の負担を軽減する。

▽農業に価格保障・所得補償を行い、食と農の安心をとりもどす。

▽原発の再稼働・新増設に反対し、原発ゼロの日本をめざす。

▽大企業や富裕層への減税と優遇をただす「公正な課税」で財源をつくる。