きょうの潮流

　「ユア・パーティー」すなわち「あなたたちの党」。英国から新たな社会主義政党誕生のニュースが届きました▼「社会正義、平和、国際連帯を求める民主的な、党員主導の社会主義政党」であり、「少数が握る富と権力を社会の圧倒的多数の手に移す」のが目標だといいます▼英国ではコロナ禍で国民に移動制限が課されるなか、首相官邸でパーティーを開くなど、乱脈の限りをつくした保守党が昨年の総選挙で大敗。しかし、勝利した労働党の政権は冷酷な緊縮政策を続け、支持率が最低水準に。支持率１位は移民排斥の極右政党「リフォームＵＫ」で、党首は人種差別や性差別の発言を繰り返す人物です▼新党の発起人で移民のルーツを持つザラ・スルタナ下院議員は、トランスジェンダーや障害者、イスラム教徒、移民への差別は意図的に作り出されている、と。その狙いは「権力を持つ者たちから人々の目をそらすいけにえを見つけるためだ。支配階級の古くからの手口、分断支配だ」▼もう一人の発起人、ジェレミー・コービン前労働党党首は「戦争、貧困、環境災害から逃れてきた人々を、敵や脅威と呼ぶ社会の人間性はどうなっているのか」と警告しました▼英国では緑の党が社会の不平等に取り組んで移民排斥に反対する新党首を選出し、若者の支持が高まっています。ウェールズ地方ではウェールズ民族党が躍進中です。どの党もガザでのジェノサイドを批判し、核兵器の廃絶を掲げています。新たな潮流の広がりを感じさせます。