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2025年12月3日

始まった前進の流れを広げに広げ「集中期間」の目標総達成を

12月2日 「集中期間」推進本部長 小池晃

 日本共産党の小池晃書記局長・「集中期間」推進本部長が2日、オンラインで行った訴えは次の通りです。


写真

(写真)訴える小池晃推進本部長=2日、党本部

 おはようございます。全党のみなさんの連日の奮闘に心から敬意を表します。

 6中総決定がよびかけた「質量ともに強大な党をつくる集中期間」は、期日とした12月を迎えました。

 「集中期間」の目標は、(1)党員拡大で、全党の力で世代的継承にとりくみ、毎月現勢で前進し5千人の新しい党員を迎える。(2)「しんぶん赤旗」読者拡大で、第29回党大会現勢を回復・突破する。(3)二つの『Q&A』(「赤本」「青本」)を、すべての党機関と支部で学習し、国民のなかに広げることでした。

 この目標を総達成するため、全党のありとあらゆる力を集めて奮闘することを訴えます。

11月の「集中期間」の結果について

 11月は、入党の働きかけが5030人と10月の2・5倍となり、453人の新しい党員を迎えることができました。止まっていた党員拡大が動き始め、昨年7月以降では最高の到達を築いたことは、11月の全国都道府県委員長会議をうけたみなさんの奮闘の結果です。世代的継承でも、11月は、青年・学生は42人、50代までの入党も実数で10月の1・5倍となりました。とくに入党の働きかけが大きく前進したことは、党員拡大を全党で運動化していく大事な足掛かりとなる変化です。

 読者拡大は、紙の日刊紙読者が133人減、日曜版が60人減、電子版は日刊紙が196人増、日曜版が1079人増となり、全体として、参院選後からの連続後退を脱し、5カ月ぶりに日刊紙、日曜版とも前進に転じることができました。日曜版電子版の発行で8300人を超える読者が生まれたことは、今後の「しんぶん赤旗」中心の党活動と世代的継承の事業にとって重要な一歩です。

 『Q&A資本論』(赤本)の学習は、リハックや選挙ドットコムの動画の活用で魅力が浸透しはじめ、32%の支部で学習が始まりました。全党的学習運動にしていくのはこれからの課題となっていますが、科学的社会主義の学習が党活動・党建設にさまざまな質的変化をつくりだしています。

わが党の理論的・政治的方針が、激動する情勢と共鳴し、わくわくする面白い運動に

 同時に、これまでの到達点は、「集中期間」の目標の水準には大きな距離を残しており、12月はどうしても一大飛躍が必要です。

 私がまず強調したいのは、この3カ月、全党が苦労しながら「集中期間」にとりくむなかで、わが党の理論的・政治的方針が、激動する情勢と共鳴し、生命力を発揮する、わくわくするような面白い運動になりつつあるということです。この面白さ、飛躍への可能性を、みんなの確信にして、前進の流れを広げに広げ、必ず目標をやりきろう――このことを強く訴えたいと思います。

(1)「入党のよびかけ」が絶大な力を発揮している

 第一に、日本と世界の歴史的岐路のもとでの生き方を問いかける、志位議長、田村委員長連名の「入党のよびかけ」(赤リーフ)が、読んだ人の心を揺り動かし、絶大な力を発揮していることです。

 「入党のよびかけ」は、いまの日本と世界の情勢をどうつかむか、そのなかでの日本共産党の役割がどう大きくなっているのかを明らかにし、私たち日本共産党員がどう生きるのかを深く問い直す「政治文書」ともなっています。これを支部で読み合わせることで、選挙での後退や反動的逆流の台頭に負けずに、不屈性と先見性を発揮して頑張ろうと「党員魂」を揺さぶられ、入党を働きかける党員の側の「踏み切り」を励ましています。

 また、「入党のよびかけ」は、目の前で動いている歴史的岐路の情勢ともかみあい、希望ある生き方を問いかけ、働きかけた相手の入党の決意を引き出す大きな力になっています。

 新潟県は11月、19人が入党し、二つの地区が党員拡大目標を達成、約半数が青年・学生や真ん中世代となって、党員現勢での前進を切り開いていますが、その原動力となったのは、「原発再稼働を許さない強く大きな党を」と、「集中期間」の意義を深く討議したこととともに、「入党のよびかけ」を徹底して活用したことでした。「TikTokをみていて日本と中国が戦争になるのではと心配」と語っていた18歳の高校生は、「よびかけ」を読みあわせると、「103年間、侵略戦争に反対した歴史はすごい。話し合いで平和をつくる提案に共感できる」と入党を申し込んでいます。

 「入党のよびかけ」を支部で読み合わせ、広く結びつきに渡し、感想を聞く――党員拡大の運動化の新たな鉱脈が生まれています。これを全党のとりくみにし、入党の働きかけをさらに5倍、10倍に広げ、目標達成の展望を大きく切り開こうではありませんか。

(2)「赤本」の学習が党内とともに党外の人々にも響きあっている

 第二に、「赤本」の学習が、綱領的・世界観的確信を党員に広げ、党外の人びとにも関心をよび、響きあっていることです。

 「赤本」の学習がはじまった支部では、支部会議が、みんなが発言し、明るく元気のでる会議に変化しています。社会主義・共産主義を語ることへの自信や誇りが生まれ、「入党の働きかけで話す内容が変わった」という党組織も生まれています。

 宮城県のある労働者党員は、サービス業の窓口業務で働いていますが、交代もなく昼休憩もとれない、時間の隙間を見つけて昼食をかき込むような職場に勤めていました。しかし支部会議で「赤本」を学び、これは搾取であり「ちょろまかしだ」とわかり、支部の仲間にも励まされて思い切って会社の上司と交渉し、30分の昼休憩をかちとることができました。「赤本」の学習から搾取を自覚し、労働者党員として職場で声をあげていくことまで踏み出す力になっていることを、私も感動をもって聞きました。

 「赤本」が党外の人々、とくに青年・学生、労働者と党を結ぶ知的・理論的力を発揮していることも特徴です。街頭宣伝でイヤホンをつけている学生に声をかけると、「いまリハックで志位さんと斎藤さんの対談を見ていたところです」と対話になり、民青に加盟したというケースも生まれています。

 昨日の「しんぶん赤旗」に登場していますが、この「集中期間」の最中、自ら党の事務所に連絡し、綱領と規約の説明をうけて入党したある20代の青年労働者は、参院選の時、投票マッチングサイトで日本共産党が自分の考えに近いとわかり、自分で志位議長の二つの「Q&A」を本屋で見つけて購入した。そして、読んでみて資本主義や共産主義のとらえ方が「コペルニクス的転回」をとげたとその感動を語っています。

 「赤本」はついに自衛隊の準機関紙である「朝雲」(11月20日号)にも「新刊紹介」で登場し、「本書が本家の『資本論』に挑戦するきっかけになるだろう」と評されるまでになっています。

 科学的社会主義と『資本論』を力にして、こんなにも豊かな“化学変化”をつくりだしながらとりくむ党づくりの「集中期間」は、党の歴史でも初めてではないでしょうか。日本でも『資本論』を読むムーブメントが起こせるのではないでしょうか。

 「赤本」の学習をすべての支部・グループへと広げぬき、科学的社会主義の党の真価を発揮したかつてない党づくりを、文字通り全党運動にしようではありませんか。

(3)高市政権の「危険性」と「弱さともろさ」が噴き出るなかで党の役割が鮮明になっている

 第三は、平和の問題でも、暮らしの問題でも、高市政権の「危険性」と「弱さともろさ」が噴き出すなかで、高市政権と正面から対決する日本共産党の役割が一段と鮮明になっていることです。

 高市政権は、憲法9条や「専守防衛」という従来の政府見解をまったく無視し、タガが外れた戦争国家への暴走をはじめています。昨日は、自民と維新が衆議院議員定数1割削減の法案提出で合意しました。企業・団体献金禁止に背を向け、国民の声を切り捨てることは断じて許されません。

 高市首相の「台湾発言」は、米軍を守るために自衛隊が中国に対する武力行使を行う――日本が中国との戦争を行うことがありうると宣言したものにほかなりません。これは日本国憲法をじゅうりんし、日中国交正常化の土台を破壊し、日中両国の国民に甚大な被害をもたらす惨禍につながる、危険きわまりない発言であり、絶対に許されるものではありません。この誤った発言を撤回せず、しがみついているために、いま高市政権は深刻な外交的破綻に陥っています。

 日本共産党は、日本国憲法と日中両国の一連の重要な合意にもとづいて、高市首相の「台湾発言」の問題点を厳しく批判し、きっぱりと撤回を求めています。同時に、中国側にも冷静で理性的な対応を求めています。先日のNHK「日曜討論」でも、こうした立場にたって発言したのはわが党の山添政策委員長だけでした。こうしたわが党の確固たる立場の根本には、「東アジア平和提言」で包括的に明らかにした、対話と包摂で平和をつくる外交戦略があり、その真価が光っています。

 いま、全国各地で基地強化・ミサイル配備反対のたたかいが広がり、首相官邸前では若い世代が中心になって「戦争あおるな」「憲法守れ」の声をとどろかせています。田村智子委員長を先頭に、こうした声を国会に届け、共同を広げているのが日本共産党です。大軍拡とたたかい、「反動ブロック」の危険にたちむかう新しい国民的・民主的共同へ力をつくそうではありませんか。

 暮らしの問題ではどうでしょうか。「総合経済対策」による補正予算は、消費税減税を否定し、「最低賃金時給1500円」の目標さえ投げ捨てるなど、物価高から暮らしを守る太い柱がありません。あるのは、軍拡予算のGDP比2%への前倒し、そしてOTC類似薬の保険外し、労働時間規制の緩和、「危機管理投資・成長投資」の名での巨額の大企業支援です。

 「総合経済対策」が出たあとも、「読売」調査で、物価高への政府の対応を「評価する」が33%にとどまっていることに、国民要求との矛盾が示されています。参院選で下された国民の審判にこたえ、消費税減税、医療・介護の危機打開、賃上げと労働時間短縮など、根本的な暮らしの打開策を掲げ、大企業中心の政治の転換を求めているのが、日本共産党です。

 「入党のよびかけ」、「赤本」の力、高市政権の「危険性」と「弱さともろさ」――どの点からも、日本共産党の理論的・政治的方針が、激動する情勢と響き合い、生命力を発揮する運動になっている。面白さも、やりがいもある党づくりの運動になっています。

 党づくりの飛躍の条件が大きく広がっています。この確信を広げに広げ、実らせる12月にして、「集中期間」の目標を必ずやりとげようではありませんか。

全支部運動・全党運動を、言葉だけにせず、やりぬいて活動の飛躍を

 それでは、目標総達成への最大のカギはどこにあるか。ひとえに、すべての支部・グループが参加する全支部運動、全党運動にできるかどうかにかかっています。

 11月、前向きの変化をつくったとはいえ、入党の働きかけは1割強、読者拡大は3割の支部による変化でした。「赤本」の学習を開始した支部も3割強です。

 今度こそ、「全支部運動」「全党運動」を言葉だけにせずに必ずつくりだす。そのために全国都道府県委員長会議の幹部会報告にいま一度たちかえり、11月の前向きの変化を確信にし、課題や弱点を直視し、あらゆる手だてをとりきることを訴えます。

 一つは、6中総決定と全国会議の幹部会報告を全支部・グループで討議し、「集中期間」成功の「三つの意義」を議論し、目標をやりぬく決意を固めあうことです。

 11月に党員拡大で明確な変化をつくった党組織は、これらを自らの党組織の現状に引き寄せて深めています。「集中期間」の意義と目標を、地区、自治体・行政区、支部にいたるまで議論し具体化をはかろうではありませんか。

 二つは、党機関が実践的突破をはかるイニシアチブを発揮することです。

 党員拡大では、なによりも「入党のよびかけ」(赤リーフ)の活用に徹することです。党機関も支部も「つながり名簿」をもって、読者、後援会員、サポーター、要求対話の結びつきなど、視野を広げて入党の働きかけに踏み出しましょう。「入党のよびかけ」を読み合わせ、感想を聞くとりくみにすべての支部が踏み出しましょう。今日の「赤旗」党活動のページに掲載した「世代的継承の党員拡大 五つのヒント」も活用して、全国の支部が若い世代に働きかけましょう。

 読者拡大では、見本紙を大量活用し、月前半から紙の日刊紙・日曜版の拡大のうねりをつくりだしましょう。購読継続の対策を月初めからとりましょう。電子版の拡大では、地域支部とともに、職場支部、青年・学生支部、真ん中世代のつながりを生かし、早期に2万人を突破し3万人の目標をやりとげましょう。

 「赤本」学習を全支部にひろげるため、12日の経験交流会を視聴し、学ぶ喜び、醍醐味(だいごみ)をおおいに語って学習を広げましょう。

 目標達成のためには、12月は14日までの節目標をもち、前半から日々活動の飛躍をつくりだしていくことが重要です。すべての県・地区が14日までの節目標をもって活動を推進しましょう。

 三つは、「集中期間」にふさわしい臨戦態勢を、党のすみずみにつくりあげることです。幹部会報告では、支部の臨戦態勢、機関の臨戦態勢、議員・候補者の臨戦態勢をふみこんで示しています。

 全党運動を本気でつくりだそうとするならば、党機関が日々支部の一覧表を握り、一つ一つの支部で幹部会報告の討議や「入党のよびかけ」を読みあわせるための対策を相談し、目標をもって踏み出すところまでの援助を具体的にする必要があります。

 12月は、財政活動にも力を注ぐ月です。党機関はもちろん支部でも、財政活動と一体に、すべての党員に声をかけ、6中総決定や「入党のよびかけ」を一緒に読んで、支部に結集する働きかけを強めましょう。支部会議の参加、日刊紙の購読、党費納入という「党生活確立の3原則」にもとづくあたたかい同志的な声かけを、12月こそ大事にしようではありませんか。

 8日には、統一地方選挙の第1次候補者発表を行います。選挙勝利への好循環を開く党づくりへ、候補者と一つになって奮闘しようではありませんか。

 全党のみなさん。「戦争か平和か」、歴史的岐路のもとで、日本共産党が強く大きな党へと前進することに、日本の進路がかかっています。来たるべき総選挙、統一地方選挙の勝利をひらく最大の保障となるのは、質量ともに強大な党の建設です。

 「集中期間」の目標を必ずやりとげ、大きな激動をはらんだ新しい年を、党づくりの新しい前進・躍進のなかで迎えようではありませんか。ともにがんばりましょう。