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2025年12月2日

「政権私物化の重大犯罪」

韓国 統一協会総裁の初公判

 韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前政権との「政教癒着」に関し、政治資金違反や請託禁止法違反の罪で起訴された統一協会(世界平和統一家庭連合)総裁の韓鶴子(ハン・ハクチャ)被告(82)の初公判が1日、ソウル中央地裁で開かれました。特別検察官は、「宗教権力が不法資金提供の対価として政治権力を私物化するという重大な犯罪」だと糾弾。韓被告側は起訴内容を全面的に否認しました。

 尹政権の数々の疑惑を捜査する特別検察官によると、韓被告は2022年の大統領選に出馬表明した尹氏の側近で保守政党「国民の力」の国会議員、権性東(クォン・ソンドン)被告(政治資金法違反罪で公判中)に約1億ウォン(約1070万円)を違法に献金したほか、尹氏の妻である金建希(キム・ゴンヒ)被告(あっせん収賄罪などで公判中)に高級バッグなどを贈与しました。

 統一協会側は韓総裁の意に沿って国家を運営して統一協会の理念を国策化する「政教一致」を実現するために、尹前大統領夫婦に接近。1億ウォンの違法献金を提供する際、「尹政権が統一教会の政策、プロジェクト、行事などを国家政策として推進するなら、統一教会の信者の票を取りまとめ、物的資源も動員して選挙運動を支援する」と提案したといいます。

 特別検察官側は初公判で、「信者らは息子の借家保証金を流用したり、苦しい生活でも借金したりして統一教会に献金した。こうした資金を癒着関係のために違法に使用したことを考慮すると、極めて悪質な犯罪だ」と指摘しました。