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2025年12月1日

主張

「政治とカネ」
許されない首相の居直り姿勢

 「そんなことよりも、定数の削減やりましょうよ」―。高市早苗首相は「政治とカネ」の問題を「そんなこと」呼ばわりし、軽んじる姿勢を党首討論(11月26日)でまざまざと見せつけました。カネの力で政策をゆがめる企業・団体献金の禁止どころか規制強化も棚上げ。定数削減に論点をすり替えて、ごまかす手法は日本維新の会と同様です。

 しかし、自民党政治で繰り返される金権腐敗に対して、国民は国政選挙で厳しい審判を下しています。「政治とカネ」の問題に背を向けて居直る高市首相の姿勢が厳しく問われます。

■相次ぐ疑惑の発覚

 「政治とカネ」をめぐる疑惑は、高市政権発足後も相次いで発覚しています。

 共同通信は、自民党の北村経夫参院議員が自身の政策秘書が代表の企業にチラシ印刷代などとして約2000万円を支出していたと報道しました。本紙「日曜版」が報じた維新の藤田文武共同代表や高木佳保里総務会長の疑惑と同じ公金還流です。共同通信は「政治資金規正法などに抵触しないものの、秘書側に多額の政治資金を支出する『身内びいき』が政党を問わず常態化している可能性がある」と指摘しています。

 さらに、国の事業を請け負う会社からの選挙期間中の寄付を禁じた公職選挙法に抵触するおそれのある寄付を、自民党議員が受けていたことも次々と報じられています。

 共同通信によると、自民党の小泉進次郎防衛相や河野太郎元デジタル相らが代表を務める神奈川県の計15支部が、国の事業を請け負った会社から昨年の総選挙期間中に寄付を受けていました。NHKは、自民党の萩生田光一幹事長代行、土田慎前財務政務官、平将明前デジタル相が、同様の寄付を受けていたと報じています。

 「政治とカネ」が繰り返し問題になっているのに、真摯(しんし)に向き合わない高市首相にはあきれるばかりです。これでは、国民の政治不信は深まる一方です。

■腐敗構造にメスを

 しかも、高市首相が党首討論で持ち出した国会議員の定数削減は、与党の合意を押しつけ、民意を切り捨てる身勝手なものです。

 維新は、もともと企業・団体献金の禁止を主張してきました。しかし、企業・団体献金を重要な資金源として温存したい自民党と連立を組むために、それを棚上げし、論点そらしで持ち出したのが定数削減です。

 「政治とカネ」の問題を不問にするために高市首相が使った論点そらしの発言には、多くの批判が集まっています。木原稔官房長官は「残り時間がなく、急いで話題を転換する趣旨だ」(11月27日の記者会見)と弁明に躍起です。しかし、企業・団体献金の見直しにまったく取り組まず、定数削減に走ろうとする高市首相の姿勢は明白で、取り繕いようがありません。

 自民党政治のもとで広がった政治腐敗の構造にメスを入れるためには、政治資金の流れを透明化するだけでなく、カネの力で政策をゆがめる企業・団体献金の禁止が不可欠です。