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2025年12月1日

きょうの潮流

 学校でのいじめを巡る事件がいまだにあとを絶ちません。文部科学省の調査によると2024年度に「いじめの問題」で8人の中学・高校生が自殺しています。学校が認知した「いじめ件数」も4年連続で過去最多を更新しました▼この間も静岡県焼津市での中学生へのいじめについて、遺族が市に賠償を求めて提訴したことが報じられました。中学生はいじめられていることを学校側にほのめかしていたのに、適切な対応がなかったと訴えています▼いじめられていると訴えてもきちんと対応してもらえず、深刻な事態になる。そんな事態が長年にわたって、何度も問題になっているのに、いまだに繰り返されています▼こども家庭庁と文部科学省は11月に「いじめの重大化を防ぐための留意事項集」をまとめました。学校や教育委員会がいじめを早期に発見し、対応することを強調しています。それ自体は大切なことです。しかし現場の状況はどうか▼教員は相変わらず長時間過密労働を強いられ、子どもに寄り添った丁寧な対応ができないでいます。教員不足を解消するための抜本的な定数増がなされないどころか、実質的に教員の数は減らされています。軍事費をアメリカの求めるまま年間11兆円に増やそうとしながら、文教予算はわずかその半分です▼いじめの問題は子どもたちの命と尊厳にかかわります。「留意事項集」でも「こどもの話を丁寧に聴くこと」を求めています。だからこそ、それができる体制を国の責任でつくるべきです。