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2025年11月30日

田村委員長インスタライブ

「女性の休日」アイスランド在住 リカさんとトーク
本当のイコール求めデモは続く

 日本共産党の田村智子委員長のインスタライブ「JOIN FOR THE FUTURE」が28日夜、配信され、田村さんは、アイスランド在住のドイツ人女性、リカ(ボーナー・フリデリケ)さんと、アイスランドでの「女性の休日」の取り組みや、同国や日本でのジェンダー平等の状況などを語りあいました。

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(写真)インスタグラムのライブ配信で語り合うリカ(ボーナー・フリデリケ)さん(上)と田村智子委員長

 リカさんは2014年から20年まで日本に在住し、その後アイスランドに移りました。アイスランドでは10月24日、権利向上をもとめて立ち上がった女性たちによるストライキ=「女性の休日」50周年集会が行われたばかり。初参加したリカさんは、当日、午後の有休を取得し、職場に残った男性に「がんばって」と言われ出発しました。レイキャビクの広場には5万人が集結。「私たちはたくさんいる」「がんばろう、女の子」「本当にやる、できる、必ずやる」と書かれたプラカードやシンボルマークの赤いストッキングが並ぶなか、「みんながスピーチしたり、歌を歌い」ました。

ホットドッグ消滅

 リカさんは、給与も育児休暇の取得も平等、雇用はスキル(技能)で判断され男性だから就職が有利なことはなく、「アイスランドは女性が住みやすい国です」と断言します。

 「女性の休日」が始まったのは50年前の1975年の10月24日。そのころはアイスランドも男女差別が当たり前の社会でした。「女性が働かない社会がうまくいかない」ことをわからせるために、女性たちが立ち上がり、家事・仕事を放棄するストライキを決行したのです。

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 当時は食事の用意ができない男性がスーパーでホットドッグを買いまくった結果、街中で「ホットドッグが売り切れた」と話すリカさん。田村さんは、映画「女性の休日」を見て「本当にできるの? できる! という女性たちの姿に感動した。実力行使でわからせたのはすごい」と語りました。そして「日本でもやってみようという動きが起きている」と紹介し、よびかけている弁護士の太田啓子さんと電話をつなぎました。

 太田さんは、「女性の休日プロジェクト」と題し、来年3月6日の開催にむけて準備が進んでおり、各地で映画「女性の休日」を見てトークをするプレイベントなどが開かれていることを紹介。「(日本でも)みんなでストライキをしたい」と決意を語りました。

 田村さんは、「盛り上げていこう」、リカさんは「3月、日本に行きます」と応じました

大好きな日本で…

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(写真)ジェンダー平等社会を求め「女性の休日」50周年集会に集まった市民たち=10月24日、レイキャビク(吉本博美撮影)

 日本で暮らし、「日本が大好きだ」というリカさんですが、あからさまな男女差別を経験。働いていた英語学校では外国人男性同僚の給与の方が高く、男女の給与格差が契約書にも書かれ、「男性は人気がある」という意味がわからない説明を受けました。セクシュアルハラスメントの被害も受けましたが、誰に相談していいかわからず、「誰でも経験すること」とまでいわれつらい思いをしました。

 リカさんは、「性暴力はアイスランドでもドイツでもあります。ただ、それが起きたら、それをオープンにできるかどうかが大事です。どこに行ったらいいのか、誰に話せばいいのか、日本ではわからなかった。アイスランドでは、(被害者の)サポートセンターがあります」と話します。

 田村さんは、日本でも長い間、「女性が我慢すればいいという空気が強かった」が、新型コロナのパンデミックを経て、病院やスーパーなど女性が従事する仕事が「どれだけ大切かがわかり」、内閣府が、女性に視点を当て、給与格差、働き方、ジェンダーギャップの問題をデータ的にも研究し始めたと話しました。また、「性暴力は女性の責任ではないという動きもつくられていった」と指摘。一方で、「日本も変わりつつあるけど、(被害を受けても)安心して相談する場はあまりにも少ない」と現状を語りました。

プライベートでは

 田村さんは、「ジェンダーギャップ指数がずばぬけて平等なのに、それでも(デモを)やるというところに衝撃を受けた。人権の問題として取り組み続けるところに意義がある、まだまだたたかう」と発言。リカさんは、アイスランド人のパートナーはじめ男性から「なんでまだデモ続くの?」「まだ不平等、感じているの?」ときかれたことを紹介。そのうえで、公の部分でジェンダー平等は進んだ一方で、いまだに家事のほとんどは女性が行い性暴力も絶えないなど、アイスランドでも「プライベートでは遅れている」現実を話しました。

 今年のデモスローガンの一つである「必要なくなるまで私たちは抗(あらが)う」という言葉を紹介して言いました。「私たちは本当のイコールを求めています」

 最後に田村さんは、資本主義経済のもとで、女性は安価な労働力として扱われ、男性に長時間労働をさせるために、結婚すれば女性が家庭に入るのが当たり前という、「搾取の仕組み」が築かれ、女性が犠牲になってきたと指摘。リカさんは、差別を受けたら、相談し応援してくれるのが労働組合だとして、アイスランドでは労働組合加入率が90%にのぼっていることを話しました。

 田村さんは、「労働組合の連帯と団結で問題の解決をすることが大切」と述べ、リカさんも「組合は必要です」とこたえました。