自身の公設第1秘書の会社に約2千万円の公金を支出していたとして大きな問題となっている「日本維新の会」の藤田文武共同代表。新たに、公設第1秘書の会社から藤田氏側へ出された、売上代金が5万円以上の手書きの領収証17枚のすべてに収入印紙が貼り付けられていないことが日曜版編集部の取材でわかりました。藤田氏は記者会見(4日)で「適正」「適法」を繰り返していました。この弁明を覆す違法の“動かぬ”証拠です。(日曜版11月9・16日合併号で詳報)
(写真)維新・藤田氏の税金還流疑惑をめぐるスクープ第2弾を報じた「赤旗」日曜版(11月9日・16日合併号)
藤田氏側は2017年6月から24年11月まで、政党助成金や調査研究広報滞在費など約2千万円を、公設第1秘書が代表を務める兵庫県の「株式会社リ・コネクト」(リ社)に支出していました。公設第1秘書はこの会社から年720万円の報酬を受け取っていました。
藤田氏は4日の記者会見で「今後は公設秘書の会社に一切発注しない」と表明。日曜版が報じた税金還流の構図を認めざるを得ませんでした。一方で取引は「適法」だと繰り返しました。
維新が公開している調査研究広報滞在費の使途報告書。それによると、リ社は22年7月~24年10月、「藤田文武事務所」宛てに19枚の領収書を発行しています。このうち売上代金が5万円以上で、書面により発行された手書きの領収書は17枚。その17枚の領収書すべてに収入印紙が貼り付けられていませんでした。他方、リ社以外が発行した同様の領収書には、いずれも印紙が貼り付けてありました。
印紙税法は、5万円以上の領収書など「紙の課税文書」(財務省主税局)に印紙税を課すと定めています。文書の作成者が収入印紙を貼り、消印をして納付する仕組みです。
税理士で立正大学法制研究所特別研究員の浦野広明氏は「売上代金が5万円以上で、紙で発行された領収書に印紙を貼りつけていなければ、印紙税法違反の可能性がある」と指摘します。
収入印紙を貼りつけず印紙税を納付しなかった場合、必要な税額の3倍の「過怠税」が徴収されます。会社の代表者や社員が違反行為をした場合は、法人にも罰金が科されます。
浦野氏は「領収書に収入印紙を貼りつけていないことを把握しながら黙認していたとすれば、脱税のほう助も疑われる」と指摘します。政権与党の幹部が脱税に関与していたとすれば極めて重大です。
編集部の質問に藤田事務所は、期限までに回答しませんでした。

