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2026年3月14日

主張

トランプ関税違憲
身勝手な要求の撤回を求めよ

 米国の連邦最高裁は2月20日、トランプ大統領が昨年4月に緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に世界各国・地域に課した「相互関税」などを違憲としました。トランプ関税の根拠が崩れ、日米関税合意の前提が無くなっています。19日に予定される日米首脳会談で高市早苗首相は、トランプ氏に追従せず、身勝手な要求の撤回を求めるべきです。

■連邦最高裁が判断

 IEEPAは、国家安全保障や経済に重大な脅威がある場合に大統領が輸入を規制できると定めますが、最高裁は大統領に関税を課す権限はないと判断しました。米国憲法は関税を課す権限は議会にあるとしています。

 トランプ政権は違憲判決を受け、「相互関税」の徴収を停止しましたが、2月24日、通商法122条に基づいて一律10%の追加関税を開始。対象品によっては、これまでの「相互関税」より高い税率になります。さらに、15%への引き上げも示唆しました。

 米関税は、米国内の輸入業者が支払います。税収は約1660億ドル(約26兆円)に達します。

 米・国際貿易裁判所は、関税を負担したすべての企業が「還付を受ける権利がある」との判断を示しました。

 世論調査会社ユーガブと英誌『エコノミスト』の調査によると、今回の連邦最高裁の判決に米国民の57%が賛同すると回答しました。トランプ関税で物価が大幅に上がったとしたのは米国民の43%、わずかに上がったは29%です。

 トランプ政権に物価対策を期待した米国民の支持が離れています。CNNの2月の世論調査では、トランプ氏の支持率は36%と2025年2月の48%から12ポイント低下です。

 トランプ関税は、製造業の米国内での復活を目指すトランプ氏の思惑通りにはなっていません。25年のモノの貿易収支の赤字額は前年比2・1%増で過去最大です。製造業雇用も第2次トランプ政権で減少基調が続いています。

■選挙対策に使われ

 日米両政府は、今回の判決が出る直前の2月17日、日米関税交渉で合意した5500億ドル(約85兆円)の対米投資の第1弾となる3件のプロジェクト(約5・6兆円)を駆け込みで発表しました。利益の9割を米側が受け取り、投資リスクの大半を日本が被る不公正なものです。

 対象となるガス火力発電(オハイオ州)、人工ダイヤ製造(ジョージア州)、原油積み出し港整備(テキサス州)は、中間選挙や大統領選挙の激戦州です。トランプ氏の選挙対策に利用されています。

 日米関税合意の前提が崩れたにもかかわらず、第1弾をそのまま進めるだけでなく、第2弾に次世代原発の建設などが候補に挙がっています。

 自国優先を掲げるトランプ氏は、関税引き上げを脅しに、個別交渉で米国の要求をのませてきました。

 自民党政権は、米国いいなりで、日本の経済的「国益」を守れていません。

 こうした身勝手をやめさせるには2国間交渉だけではダメです。理不尽なトランプ関税は、多国間の国際協調で撤回を迫るべきです。