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2025年8月1日(金)

きょうの潮流

 「Even one voice…」。小学6年の佐々木駿さんが、こんな語句で始まる英語文を教えてくれました。訳すと、「たとえ一つの声でも、真実に希望を込めて語れば、世界に変化をもたらすことができる」▼小2から広島の平和記念公園で、外国人へのボランティアガイドをしています。小さい頃から学んだ英語は堪能。「外国人ともっと話したい」という気持ちで始めました▼「どうしてボロボロなのに壊さないの?」。原爆ドームを見てそう聞いたのは小1の時。お母さんと原爆について調べました。やがて、平和記念公園で原爆について語るようになりました▼小4の時、曽祖母が被爆者だと知って、ショックを。「おじいちゃんは勇気を出して話してくれた」といいます。被爆者への差別が激しく、曽祖母は誰にも被爆体験を語ることができませんでした。駿さんは、2度のがんに苦しんだ曽祖母の話を、ガイドの時に語るようになりました▼戦後、原爆の真実はアメリカ占領軍のメディア統制によって隠されました。多くの被爆者が思い出すこともつらく、忘れようとしました。つらさに耐え、峠三吉をはじめ多くの被爆者が、真実と希望を語りはじめました。その声は原水爆禁止世界大会へ、核兵器廃絶の運動へとつながりました▼「絶対に二度と起きてはいけないことだって、世界に伝えたい」と駿さん。6日の平和記念式典で、「平和への誓い」を読み上げます。曽祖母と被爆者たちの思い、真実と希望を受け継いで…。


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