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2025年7月31日(木)

「消費税は負担」課税事業者9割超

STOP!インボイス 1万人実態調査

 参院選で大きな争点となった消費税減税・インボイス(適格請求書)廃止。インボイス制度を考えるフリーランスの会(STOP!インボイス)の1万人実態調査(3月28日~4月14日)で示された、課税事業者の90・8%が「消費税を負担に思う」(グラフ1)という声に向き合う政治の実現が一刻も早く求められています。

 インボイス登録事業者は今年、制度開始後初めて1年分の消費税を納税することになりました。回答者の97・3%が制度反対です。

 「消費税を負担に思う」のは、価格転嫁できていない(インボイス登録事業者の77・0%)からです。新たに生じた消費税額や事業コストについて「所得や貯蓄から補填(ほてん)した」との回答が登録事業者の4割超、1976件(複数回答)とトップ。1割超の496件が「借金」して納めたと答えています。負担軽減措置があっても厳しい実態が浮き彫りになりました。

 取引先との圧倒的な力関係の差から「価格交渉も価格転嫁も難しい」といった自由記述もありました。インボイス登録を機に価格交渉した事業者は21・0%にとどまり、51・3%が価格交渉しなかったと回答しています。

 インボイス未登録事業者で「変わらずに取引できている」との回答が3割、1820件ある一方、「未登録を理由に値引きされた」も3割、1824件ありました(いずれも複数回答)。「取引先からの明言はないが、発注が減った」という事業者が4者に1者おり、事業規模が小さいほど負担のしわ寄せがいきやすい傾向です。

 一方的な値下げや取引排除にあった事業者で、公正取引委員会に申し立てをしたのは2・8%にとどまりました。政府は制度開始前に不安の声があることを認識し、補助金拡充や取引環境整備をすると説明。しかし「取引先との関係を懸念」して申し立てをしなかったとの回答が6割、2629件(複数回答)に上り、公的支援も使いづらい、制度の対象外などの理由で9割、9523件(複数回答)が使用しませんでした。

 今後の見通しは「悪く、不安」が50・2%、「廃業・転職を視野に入れている」が14・7%(グラフ2)。廃業・転職を視野に入れていると回答した人のうち業界別で割合が高かったのは運輸・通信業23・3%、電気・ガス・熱供給・水道業19・1%、建設・土木・工業18・2%でした。

グラフ1
グラフ2


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