2025年7月31日(木)
“核使用想定の演習”否定せず
共産党国会議員団に政府
![]() (写真)日米の核使用議論について政府から話を聞く(正面左から)白川、仁比、山添、大平の各氏=30日、参院議員会館 |
日米が「有事」で米軍の核兵器を使用する協議を行い、共同演習で自衛隊が米軍に「核の脅し」を求めたとされる共同通信の一連の報道をめぐり、日本共産党国会議員団は30日、政府に事実関係をただしました。
日米当局者による「日米拡大抑止協議(EDD)」で、「有事」を想定した机上演習を複数回実施し、米軍が核兵器を使用するシナリオを議論していたとの報道(27日付)について、外務省の担当者は2023年12月に開催されたEDDに基づいて「机上演習」を定期的に実施していることを認めた上で、「具体的な内容については事柄の性質上、お答えできない」と回答。「米軍が核兵器を使用する」というシナリオの存在について、否定しませんでした。
昨年2月の日米共同統合指揮所演習「キーン・エッジ」で「台湾有事」の机上演習が行われ、中国が核兵器の使用を示唆した発言をしたとの想定で、自衛隊が「核の脅し」で対抗するよう再三求め、米側が渋々応じたという報道(28日付)をめぐっても聞き取りが行われました。この報道に関して中谷元・防衛相は29日の記者会見で「事実無根だ」と否定。防衛省担当者もこの見解をあらためて繰り返しましたが、「核の脅し」を求めたというやりとりについては否定したものの、米軍の核使用を想定したシナリオの存在については「答えを差し控える」と否定しませんでした。
日米両政府は昨年12月、「拡大抑止に関するガイドライン(指針)」を作成したと発表。内容は非公表で、核兵器の使用基準や日米間の手続きなどが盛り込まれているとみられます。
聞き取りには日本共産党の山添拓、仁比聡平、白川容子の各参院議員と、大平よしのぶ衆院中国比例予定候補が出席しました。大平氏は、広島県被団協(佐久間邦彦理事長)や県原水協が主催した核使用議論に抗議する緊急アクションのアピールを手渡し、「核兵器使用の議論を、『事柄の性質上明らかにできない』ということは許されない。『核抑止』という立場を乗り越え、核兵器は絶対使ってはならない絶対悪の兵器だという立場で、唯一の戦争被爆国の政府として核廃絶にむけて世界をリードすべきだ」と求めました。