2025年7月30日(水)
徹底追及 統一協会
オスプレイ誘致で「暗躍」
佐賀「推進シンポ」に勝共県幹部
オスプレイ(垂直離着陸輸送機)17機を配備する陸上自衛隊佐賀駐屯地(佐賀市)の開設を記念して6日に行われた「防衛シンポジウム」で、統一協会(世界平和統一家庭連合)の政治組織「国際勝共連合」の佐賀県幹部のA氏が主催団体にいたことが29日、本紙の取材で分かりました。同シンポには九州防衛局の江原康雄局長、自民党国防部会長の岩田和親衆院議員らが同席しました。協会側と防衛省幹部、自民党議員の“新たな接点”が浮上した形です。(統一協会取材班)
![]() (写真)オスプレイ誘致推進佐賀県民会議のウェブサイト |
同シンポは佐賀市内のホテルで開かれ、自民党の佐賀県議6人、佐賀市議4人を含む約150人が出席。元陸上幕僚長の岩田清文氏、元陸上自衛隊西部方面総監の本松敬史氏が講演し、中国脅威論に基づく大軍拡の必要性を強調しました。
主催したのは、県内の政財界関係者が2021年8月に結成した「オスプレイ誘致推進佐賀県民会議」です。佐賀空港の軍民共用化と駐屯地の建設に住民らが反対する中で「オスプレイは侵略を防ぐ抑止力」と主張し、推進運動を「果敢に展開する」と宣言してきました。
A氏は同会議が準備委員会として発足した時期から活動に加わり、近年も総会や行事の様子を動画共有サイトに投稿しています。
佐賀県選挙管理委員会が公表した政治資金収支報告書(23年分)によると、A氏は「国際勝共連合佐賀県本部」の事務担当者です。
勝共連合は統一協会の開祖・文鮮明(故人)が1968年に創設し、全国各地で反共謀略活動を展開してきました。
A氏は自身のインスタグラムで「防衛シンポジウム」を告知し、会場内の写真を軍事情報のニュースサイトに提供しました。
別の団体にもA氏の名前はありました。2016年7月に同県唐津市で開かれた「第3回 日韓トンネル推進唐津フォーラム」の案内状には、A氏が主催団体「日韓トンネル推進佐賀県民会議」の「担当」として連絡先を記していました。
日韓トンネルは文鮮明が提唱した「国際ハイウェイプロジェクト」の一部で、唐津市内の土地に約540メートルの調査斜坑が掘られています。工事はストップしていますが、日韓トンネルを推進する団体は1口10万円と1口50万円の寄付金を集め続けています。
防衛シンポジウムでは主催団体「オスプレイ誘致推進佐賀県民会議」の会員らに対し、来賓の岩田衆院議員が「世論をリードする形で啓発していただいた」と述べ、江原防衛局長は「多大なるご尽力をいただいた」と持ち上げました。
同会議の平原嘉徳事務局長(自民党佐賀市議)は、A氏について「事務局メンバーの一人で、会社員だと認識している」と説明します。その上で「国際勝共連合で活動していることは知らない」と述べました。