2025年7月29日(火)
きょうの潮流
「日本人が払った税金は日本人のための政策に」「日本人ファースト」…。他国や他民族を排斥する主張が、公然と飛び交った参院選。あからさまな差別・偏見の横行に危機感を持つ人たちは、エンターテインメントの世界にも▼参院選中の9日に開かれた放送文化基金賞の贈呈式。登壇したEテレ「バリバラ」の出演者の玉木幸則さんは、「多様性、マイノリティーを否定するような発言が、テレビ、インターネットでバンバン出ています。アカンことはアカンと言い続けてほしい」▼大人気となった朝ドラ「虎に翼」の脚本を手がけた吉田恵里香さんは、「エンターテインメント業界にいる人たちが、もっと声をあげて平等で平和な社会をつくっていけたらいいなと思っています」と参加者に呼びかけました▼NHKスペシャル「子どもを狙う盗撮・児童ポルノの闇」で調査報道賞を受賞した「探査報道を専門とする」Tansaは、受賞後の17日に「報道機関として参政党に反対します 基本的人権と民主主義を守るため宣言します」と表明しました▼大量の情報を出して混乱させる「フラッド・ザ・ゾーン戦略」(情報洪水)というトランプ米大統領の手法をまねたとされる参政党。次々に出る差別的発言を、メディア側が手間をかけて検証しても、広く事実を知らせられなかったのでは▼フリーライターの武田砂鉄さんは、選挙が「一時的な熱狂を生み出すテクニックの発表会になってしまう」と。選挙後も検証の継続が求められています。