2025年7月26日(土)
一方的高関税の脅し 繰り返される危険性
日米合意受け党首会談 田村委員長が指摘
日米関税交渉の合意について石破茂首相が各党に説明するとして、与野党党首会談が25日、国会内で開かれました。日本共産党の田村智子委員長は「米国による貿易協定の一方的な破棄を批判したのか。日米交渉の内容を明らかにすべきだ」と石破首相をただし、この点をあいまいにしたままの合意であれば今後も高関税の脅しが繰り返される危険性があると指摘しました。また「合意の詳細を文書で示し国会で十分な時間をとった審議を早急に行うべきだ」と主張しました。
![]() (写真)会談する与野党の党首。左から3人目は田村智子委員長=25日、国会内 |
冒頭、石破首相は「米国の関税措置に関する日米協議:日米間の合意」の概要を説明。合意文書そのものの提示はなく、米側が公表した日本による防衛装備品「追加購入」についても説明はありませんでした。
田村氏は、米国が一方的に日本に課す「相互関税」が15%になったことについて「自動車は2・5%だったのが15%の高関税が押しつけられた」と指摘。政府機関による5500億ドルの対米投資は「利益はアメリカに、リスクは日本国民にという合意だ」と批判し、米国産農産物輸入拡大についても、「ミニマムアクセス米77万トンの輸入を続けてきたことが日本の農業を衰退させてきた。この総量を維持して米国産輸入を拡大することは農業再生に逆行する」と指摘しました。
田村氏は、そもそも米国による貿易協定の一方的な破棄について批判し撤回を求めたのか、米国側はこのことについてどう発言しているのかと首相に質問し、「ここを明確にしなければ今回の合意もまた一方的に破棄される」危険があることを強調。すでにベセント米財務長官が、今回の合意について四半期ごとに精査し、トランプ大統領が不満ならばすべての関税を25%に戻すと発言していることをあげました。
石破首相は「トランプ大統領は、米国側が一方的に搾取されているとの認識だ」「言いたいことはあっても、言ってはいけないことがある」などと述べ、米国の一方的な協定破棄を批判しないままに交渉が行われたことを示唆しました。
田村氏は、今回の日米合意によって国内への影響が懸念されるとして、国内需要を喚起するためにも参院選で野党がそろって主張した消費税減税を進めるべきだと主張。日産自動車の大規模リストラに言及し、今後、自動車大手メーカーなどが、関税を理由としたリストラを進めないよう政府の対策を要求しました。
会談後の会見で、田村氏は「合意文書がないことについて、私を含め各党から日米間に(解釈の)齟齬(そご)が生まれかねないと指摘が相次いだ」と説明。対米投資についても、米国側からの「米国が投資先を決める」という発言をめぐり各党から強い懸念が示されたと述べ、改めて「国会での時間をとった審議を求める」と表明しました。(要旨)