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2025年5月31日(土)

修正案でも年金10%削減

田村貴昭氏 マクロ経済スライド止めよ

衆院厚労委

 日本共産党の田村貴昭議員は30日の衆院厚生労働委員会で、少ない年金と物価高騰で高齢者が苦境に陥っている実態を突きつけ、年金を物価や賃金の伸びより低く抑える「マクロ経済スライド」による調整をただちに止めるよう石破茂首相に迫りました。

 田村氏は、風呂や洗濯の回数を減らす、スーパーで値下げシールが貼られるまで待つなど、年金生活者の厳しい生活実態を示し、「高齢者の苦境を知っているのか」と強調しました。マクロ経済スライドが導入された2004年以降、年金の実質額は10%減少し、自民、公明、立民の3党合意による修正を行ったとしても、過去30年の経済状況を前提としたケースではさらに十数年、年金の実質額は10%下がると指摘。「物価がこれほど上がっても年金を抑制する制度を続けていいのか」とし、マクロ経済スライドの調整をただちに止める観点に立つべきだと求めました。

 石破首相は「年金の持続可能性は維持していかねばならない」などと述べ、低年金で苦境に陥る高齢者に背を向けました。

 田村氏は、年金生活者給付金5450円と、基礎年金だけ25年以上加入している人の月額平均給付額5万6000円を足しても生活保護基準以下だと指摘。「法案が通ったとしても今の日本の年金制度に希望や安心が見えるのか」と追及しました。石破首相は「制度全体をどのように考えていくのか、さらに精緻に検証していきたい」と述べるにとどめました。

 田村氏は「減る年金、物価高騰のなかで国民の多くが求める消費税減税には背を向けたままの石破政権への不満と不信は募る一方だ」と指摘しました。


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