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2025年5月29日(木)

学術の軍事動員が狙い 廃案以外ない

学術会議解体法案 参院審議入り

井上氏が代表質問

 日本学術会議解体法案が28日、参院本会議で審議入りし、日本共産党の井上哲士議員が代表質問しました。井上氏は「学術を軍事に動員するため学術会議から独立性を奪い、時の政権の意向に沿う別組織につくりかえる学術会議解体法案だ」と指摘。「廃案以外にない」と主張しました。(要旨)


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(写真)質問する井上哲士議員=28日、参院本会議

 菅義偉首相(当時)による学術会議会員任命拒否事件を巡り「首相が任命拒否できる」との政府解釈の決定経過を示す資料の全面開示を求める訴訟で、東京地裁が16日、国に全面開示を命令。国は控訴しました。

 井上氏は、国は直ちに控訴を取り下げ、資料を開示すべきだと要求。「現行法の解釈を勝手に変更し、違法な任命拒否を行いながら、経過も理由も明らかにしない政府に法案提出の資格はない」と批判しました。

 法案は国の「特別の機関」である学術会議を特殊法人化し、首相任命の「監事」や外部者による「助言委員会」などを新設します。

 井上氏は、衆院の質疑で坂井学内閣府担当相が「特定のイデオロギーや党派的主張を繰り返す会員は、今度の法案で解任できる」と答弁したことを、「気に入らない科学者は排除するという政府の本音が表れている」と指摘。答弁の撤回を求めましたが、坂井担当相は「会員は(政府ではなく)学術会議が解任できる」と改めて主張し撤回しませんでした。

 学術会議は首相任命の監事など五つの懸念点を挙げ「独立した自由な学術の営みを代表するアカデミーの活動を阻害するもので到底受け入れられない」と表明しています。井上氏は、学術会議の懸念にどう対応したのかと追及しました。坂井担当相は「丁寧に説明する」などと答弁。学術会議が求めている抜本的な法案修正を否定しました。

 立憲民主党の石川大我議員は、東京地裁判決を巡り、任命拒否を可能とした資料の黒塗り部分が開示されなければ国会は政府解釈の正当性を判断できないと指摘。不開示での審議は許されないと強調しました。


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